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2024プロ野球総決算号

【12球団ペナントレース総括】広島・投打に“らしさ”を発揮して奮闘も最後に勝ち切れず一気にBクラスに

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セ・リーグ、パ・リーグともに巨人ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を果たした2024シーズン。しかし、ポストシーズンで波乱が起きた。パはソフトバンクが日本シリーズまでコマを進めたが、セは3位・DeNAがクライマックスシリーズを勝ち抜き頂上決戦へ。日本一を争う場でもDeNAは勢いを加速させ下克上Vを完遂。ファンを熱狂させた激闘の記憶――。セ・パ12球団の2024年の軌跡を振り返っていこう。


【シーズン成績】143試合68勝70敗5分勝率.493

 昨年同様、シーズン開幕前の下馬評は高くなかった。ただ、新井貴浩監督の下、一丸となった選手たちにはチームを押し上げる底力、勢いがある。今季も、しぶとくつないで1点をもぎ取り、守り抜くスタイルで、5月中旬以降、上位争いを演じ、夏場にはわずかなゲーム差ながら首位を走っていた時期も。再度、首位に立って9月を迎えたときには6年ぶりのリーグ優勝も視界にとらえていた。

 それだけに、リーグワーストタイ記録の月間20敗を喫した9月の戦いが悔やまれてならない。シーズン最終盤の大事な時期に、あれほど勝てないとは、首位から一気にBクラスまで急降下してしまうとは、一体誰が予想していただろうか。

 シーズン終盤までのチームの強さを支えていたのが、投手陣だ。先発、リリーフがそれぞれに安定感を見せ、6月はともに防御率1点台をマークするなど、しっかりと、着実に試合をつくってきた。

 先発陣は大瀬良大地九里亜蓮床田寛樹森下暢仁の四本柱がどっしり。イニングが計算できる彼らの中で、床田が2年連続、森下が2年ぶりに2ケタ勝利をマーク。大瀬良は自身の勝ち運こそなかったが登板日のチーム成績は16勝7敗2分けと、防御率1点台の好投できっちり流れを呼び込んだ。リリーフ陣は、球団最多タイ38セーブの守護神・栗林良吏が8月まで防御率0点台をキープ。中継ぎ陣もシーズン序盤は島内颯太郎、中盤以降はハーン、森浦大輔が粘り強く勝ちに導いてきた。大きな飛躍を遂げたのは、3年目の黒原拓未。回またぎなども担い、シーズン通じた活躍は新人王候補にも名前が挙がったほどだ。

 だが、その投手陣が9月は一転。先発は5回を持たずに降板することが増え・・・

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