2000年代に入って初のワールド・シリーズ連覇を果たしたドジャース。強大な資金をバックにチームをつくり上げ、スモールマーケットの球団から、その手腕に批判を受けることも。一方で、今季のワールド・シリーズは、世界中の野球ファンを魅了したことが数字で発表され、野球人気に欠かせない球団であることも証明された。 文=奥田秀樹 写真=Getty Images 
21世紀で初めて連覇を達成したドジャース。1998年から3連覇したヤンキース以来の快挙であった
ドジャースの連覇は、スモールマーケットの球団からの批判にさらされながら始まった。ケタ外れの資金力を武器に、FA市場で狙った選手を次々に獲得していくドジャースに対し、シーズン前、ロッキーズのディック・モンフォートオーナーらは「ドジャースは野球を壊している」と声を上げた。実際、2025年のドジャースの年俸総額は3億4090万ドル、そこに1億6740万ドルのぜいたく税が加わり、今季の総支出は5億830万ドルに達する見込みだ。これはメジャーで最も支出が少ない6球団――マー
リンズ、アスレチックス、レイズ、ホワイトソックス、パイレーツ、ガーディアンズ――の合計年俸に相当する。
まさに「6球団分の戦力」と言っていい。確かに、この状況が公平とは言いがたい。しかしご存じのとおり、ドジャースはすべてをルールの範囲内で行っている。加えて注目度の高い強いチームをつくり、勝ち続けることで野球への関心を高め、世界中にファンを増やし、莫大な収益を生み出している。そしてその収益は、MLBの収益分配制度を通じてスモールマーケットの球団にも還元されている。何ら後ろめたいことはない。
だからこそ、ナ・リーグ優勝を決めた直後、5万2000人のファンが歓喜に包まれたドジャー・スタジアムで、
デーブ・ロバーツ監督はこう叫んだ。「みんな言うんだ、ドジャースは野球を壊しているって。だったらあと4勝して、本当に壊してやろうじゃないか!」。そしてドジャースはブルージェイズと、史上まれに見る接戦のワールド・シリーズ(WS)を戦い、連覇を成し遂げた。
結果、野球は壊れたのだろうか。
2025年WS第7戦は、アメリカ・カナダ・日本を合わせて平均5100万人が視聴し、1991年以来34年ぶりに最も視聴されたMLBゲームとなった。シリーズ全体の平均視聴者数は・・・
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