就任1年目で2位に大差をつけて阪神を2年ぶりのリーグ優勝に導いた藤川球児監督。しかし、指揮官は危機感を抱く。強い組織を築くためには“慣れ”は禁物。日本一奪回へ、チームを慢心させずに歩んでいく。 文=高原寿夫[日刊スポーツ] 写真=宮原和也、毛受亮介 
9月7日、甲子園で胴上げされた藤川監督。しかし、それはすでに過去のものだ
忙しさが増すオフ
今季を締めくくる阪神の球団納会が11月27日、大阪市内で行われた。ぶっちぎりで史上最速のリーグ優勝を決めた今季である。壇上に立った指揮官・藤川球児からは慰労の言葉がどう出るかな、と思っていたが違った。口をついたのは来季へ向けての激しいゲキ。それもこれまでにないような調子のそれだった。
「この11月、キャンプに行きました。本当にみんなが汗をかいたらどうか。微妙だなと思ってます。勝つと危険です。順調をもっと疑わなきゃいけない。やっぱり慣れてはいけない。慣れなかったからこそ史上最速でリーグ優勝ができた。ここから2カ月、やっていなければ振り落とされます。昨年も言ったとおり、最後、私1人になっても勝ちに行きます。組織は慣れたら終わり。みんなで素晴らしかった1年を来年どうすればもう1度持ってくることができるか。自分たちで変わることです」
シーンとする会場に球児のゲキが響き渡ったのである。日本シリーズこそ
ソフトバンクの前に敗退したものの、圧勝したシーズンの余韻はそこにはまるでなかった。厳しいな、とも感じるが、もちろん当然の姿勢でもあるだろう。すでに戦いは始まっているのだ。
それでなくとも人気球団の阪神、それが優勝したとあれば、オフはとにかく忙しい。公式行事だけでも11月22日に大阪・御堂筋で開催された優勝パレード、同23日のファン感謝デー(甲子園)。さらに25日が大阪市内の高級ホテルでの優勝祝賀会、そして27日が球団納会、さらに28日は兵庫県内で開催された選手会納会と続いた。
主力選手は、その合間にNPBアワーズなどの表彰式に参加。個人に依頼されるイベントなどを数に入れれば、それこそ無数にあるはず。もちろん、それぞれのプライベートでのお祝いやイベントもあるだろう。試合こそないものの、選手によってはシーズン中と変わらないようなタイトなスケジュールになるかもしれない。
だからこそ、のゲキだったのかもしれない。繰り返すが、それでなくとも引っ張りだこの猛虎戦士だ。それが優勝すればバリューもアップし、さらに忙しくなるはず。だが、そういう慌ただしいオフを過ごした先にどういうことがあるか……はよく言われることだ。
来季はセ・リーグ5球団が間違いなく「打倒阪神」で向かってくる。現役でいる間は、やはりシーズンオフはオーバーホールなど体を休め、調整し、そして次のシーズンへ向かっていく時間にすべきなのだろう。もちろん最近の選手は・・・
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