ドジャースがワールド・シリーズ連覇を果たした。MLBの歴史に残る名勝負を繰り広げた中で、日本人3選手の活躍が多く取り上げられた。さらにカブスの鈴木誠也が30本塁打をクリアし、各チームで日本人選手がチームの中心として活躍した。まさに日本人メジャーここにあり、の存在感を見せた2025年だった。 文=奥田秀樹 写真=Getty Images 大谷翔平 二刀流再出発! 進化が止まらぬ圧巻パフォーマンス 
二刀流を再開しながらシーズンは55本塁打の自己最多を記録。ポストシーズンでは8本塁打と圧倒的なパフォーマンスを見せた
ドジャースの日本人選手3人の活躍を見ていく。まずは、今や世界最高、いや歴史上最高と言われるまでの活躍を見せた二刀流から。2025年誰も予想しえないパフォーマンスを披露。ファンを魅了し続ける進化系スーパースターだ。 「限界」の定義を変え続ける
現地時間10月17日、ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦。その夜は、MLBの長い歴史に刻まれる特別な一戦となった。二刀流・大谷翔平が、まさに球場を支配したのである。投げては、100マイルを超える剛速球を軸に、7回途中まで被安打2、10奪三振、無失点。ブリュワーズ打線はただ沈黙するしかなかった。
そして打っては、3打数3安打1四球。安打はすべてホームラン。3本の飛距離の合計は約409メートル、そのうち1本は球場の外へと消えていった。圧巻の投球と破壊力満点の打撃。ひとりの選手が同じ試合で見せたとは思えない、異常とも言えるパフォーマンスだった。スコアは5対1。この勝利でドジャースはワールド・シリーズに進出した。
だが数字以上に、見る者すべてに衝撃と陶酔を与える勝利だった。私たちは8年間、メジャーの舞台で進化を続ける大谷を追い続け、驚き、胸を高鳴らせてきた。まずは二刀流がメジャーで通用するのか、その問いに対し、大谷はエンゼルス時代の2021年と23年のMVP受賞という形で答えた。そして次のステージは、究極の舞台であるポストシーズン。優勝を狙うドジャースの中心として、二刀流で勝利に貢献できるのかが問われていた。その上、大谷はこの試合の直前まで「二刀流だから結果が出ない」という批判にさらされていた。今季公式戦での登板日における打撃成績は54打数12安打(打率.222)、登板翌日は34打数5安打(.147)。
デーブ・ロバーツ監督ですら「登板日は体力を温存しようとして打席に集中できていないように見える。実際、登板した試合での打撃は良くない。今後はもっといいプランを考えたい」とコメントしていたほどだ。その批判に対し、大谷は完璧な形で答えを出したのである。
10月17日の試合は、私たちが思い描いてきた「二刀流・大谷」という長い進化の旅の、ひとつの到達点のように映った。引退の日が訪れたとき、この試合が彼のキャリア最高の一日として語り継がれる可能性は十分にある。しかし、そう断言してしまうには、まだ早過ぎるのかもしれない。なぜなら大谷という選手は、常に常識の向こう側へと歩み続けてきたからだ。ただ記録を塗り替えるだけでなく、「限界」という言葉そのものの定義を変えてきた男である。
誰も見たことのない領域へ
だからこそ、大谷進化論に句点を打つのは私たちではない。彼が次にどんな景色を見せてくれるのかを見届けるまでは、この物語は終わらない。その象徴が・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン