
球団初のワールド・シリーズ連覇を果たしたドジャース。しかし、ポストシーズンでは本来は先発の佐々木朗希を後ろに回すなど、リリーフ陣に苦労した。今オフはリリーフ陣を中心に補強することが予想される
MLBはオフに入り、話題の中心はストーブリーグへと移った。その中でも注目を集めているのが、3連覇を目指すドジャースの動きだ。
2025年の年俸総額は3億4700万ドル、贅沢税の計算上では4億1500万ドルと、いずれもMLB史上最高額を記録した。26年は、契約が切れる選手の分を差し引けば、約1億ドルの削減が見込まれる。つまり今季並みの支出を維持するなら、補強資金には十分な余裕があることになる。
アンドリュー・フリードマン編成本部長は優勝パレードのあと、こう語った。
「まだ支出規模について具体的には決めていない。まずはロースター全体を見渡して、どの分野を重点的に強化すべきかを把握したい」
日本から新たにMLB移籍が見込まれる選手としては、
西武の
今井達也投手、
ヤクルトの
村上宗隆内野手、
巨人の
岡本和真内野手らの名前が挙がっている。
しかし、ドジャースが獲得に動く可能性は低い。今井は魅力的な投手だが、先発ローテーションはすでに埋まっている。
大谷翔平、
山本由伸、
ブレイク・スネル、
タイラー・グラスノー、佐々木朗希、エメット・シーハンに加え、
ジャスティン・ロブレスキーやベン・カスパリウスも先発志向を持つ。さらに、
ギャビン・ストーン、
リバー・ライアン、カイル・ハートらが故障から復帰予定だ。
内野では、
マックス・マンシーの26年は年俸1000万ドルの球団オプションがあり、チームはこれを行使する見込み。一塁には
フレディ・フリーマンが健在で、補強の優先度は高くない。オフの焦点は、高齢ベテランの去就と外野、リリーバー陣の補強だ。34歳の
キケ・ヘルナンデス、37歳の
ミゲル・ロハスはFAとなるが、いずれも残留を希望している。2人はシーズン中の成績こそ平凡だったが、ポストシーズンでは不可欠な存在となった。
一方で、チーム全体の高齢化も進んでおり、26歳の
キム・ヘソンや23歳のアレックス・フリーランドら若手に出場機会を与えるべきとの声もある。外野陣では、27本塁打を放った
アンディ・パヘスの成長が期待され、
テオスカー・ヘルナンデスは3年契約の2年目を迎える。
しかしもう一枠が空いている。補強候補として名前が挙がるのが、カブスに所属していた
カイル・タッカーだ。4度のオールスター出場を誇る左の強打者で、このオフのFA市場では最も人気の高い選手の一人。契約総額はおよそ4億ドル規模と見られている。
ドジャースにはそのための資金はあるが、別ルートとしてガーディアンズのスティーブン・クワンをトレードで狙う可能性もある。あるいは、
トミー・エドマンを中堅に起用して布陣を再構築する選択肢もある。
もう一つの懸念は、クローザーの不在だ。
タナー・スコットは不調に終わり、確定的な守護神がいない。FA市場ではメッツの
エドウィン・ディアスや
ヤンキースのデビン・ウィリアムズといった実績ある投手の動向が注目されるが、トレードや内部昇格の可能性もある。スコットの復調に賭ける選択肢も排除されていない。優勝パレードの場で、大谷はじめ、ドジャースの選手たちは「次は3連覇を目指す!」と声高に宣言した。首脳陣の決断やいかに。
文=奥田秀樹 写真=Getty Images