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【MLB】再建途上のホワイトソックス 村上宗隆に最適な理由

 

現地時間12月21日にホワイトソックスに入団会見をした村上宗隆。3年連続100敗と再建中のチームだが、若手を中心に起用しており、多少のミスも目をつぶってもらえるはずだ。監督が日本の文化を知っていることも村上の活躍に大きな助けになるだろう


 ホワイトソックスはドジャースと同じ、アリゾナ州キャメルバック・ランチにあるキャンプ施設を使用している。

 しかし、直近2年の成績は、連覇を果たしたドジャースとは対照的に、MLBで最も厳しかった。2024年のホワイトソックスは41勝121敗、勝率.253。

 現代野球史でも屈指の惨敗シーズンで、希望と呼べるものはほとんどなく、シーズンを通してファンにわずかな明るさを与えた存在は、オールスターに選出された左腕ギャレット・クローシュだけだった。32試合に先発し、防御率3.58を記録したが、オフにレッドソックスへトレードされている。

 25年は60勝102敗と成績は改善したものの、3年連続の100敗シーズン。観客動員数も1990年代後半以来の最低水準まで落ち込み、1試合平均約1万8000人でMLB27位だった。

 それでも勝利数が増えた背景には、投手陣の底上げがある。ルール5ドラフトで獲得した25歳のシェーン・スミスは、チーム防御率を24年の4.67(28位)から25年の4.26(20位)へと改善させる一因となった。

 将来的には、22年ドラフト1巡目のノア・シュルツ、24年1巡目のヘイゲン・スミス、負傷中のドリュー・ソープ、デービス・マーティン、ハイロ・イリアルテらが先発ローテーションの軸となる可能性がある。

 さらに23年ドラフト2巡目のグラント・テイラーといった投手も控えている。一方で打線も24年はチームOPSが.618で30位だったが、25年は.675で28位と少し上がった。

 明るい材料は、遊撃手のコルソン・モンゴメリー、捕手のカイル・ティール、二塁手のチェイス・メイドロスといった若手有望株が、25年開幕時にメジャー・デビューし、シーズン終盤には主力へと成長したこと。加えて球団はアマチュアドラフトの抽選に勝利し、26年のドラフトで全体1位指名権を手にした。UCLAのスター遊撃手ローチ・チョロウスキーを指名する可能性が高い。

 そこに和製スラッガー、村上宗隆も加わる。チームメートの多くは00年前後生まれで、村上と同世代。個として成功するだけでなく、「一緒に強くなれる」環境だ。41歳のクリス・ゲッツGMは就任2年目。

 1年前に41勝121敗という惨状を経験したが、25年はウィル・ベナブル監督と腰を据えて仕事ができる体制を整えた。プリンストン大学出身のベナブル監督は、元メジャー・リーガーの父マックスが1992、93年にロッテでプレーした縁で日本に住んだ経験があり、大学時代には日米の文化的違いをテーマに卒業論文を書いている。

 自身もメジャーで9年間プレーし通算81本塁打。村上にとって良き理解者となるだろう。ホワイトソックスは26年も負け越しシーズンになると思うが、村上にとってはそれでもよかったと思う。

 同じキャンプ地のドジャースなら、優勝争いは経験できても、出場機会は限られるし、MLBの野球へのアジャストが進まない。ホワイトソックスでは、ほかの若手とともに、毎日プレーさせてもらえるし、多少のミスも目をつぶってもらえる。本拠地レート・フィールドは外野フェンスが低く、パワーヒッターに有利なのも好材料なのである。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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