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【MLB】スクーバル、バルデス、バーランダー 3本柱で踏み出すタイガースの大勝負

 

古巣復帰となったバーランダー。2012年以来のワールド・シリーズ進出を目指すタイガースにとって3度のサイ・ヤング賞を獲得した右腕の加入は大きい


 タイガースが、3連覇を狙うドジャースにとって無視できない存在となった。年俸調停の結果、2年連続サイ・ヤング賞に輝いたエースのタリック・スクーバルに年俸3200万ドルを支払うことになった。

 スクーバルはあと1年でFAとなり、将来的には総額4億ドル規模の契約で流出する可能性が高い。そうした状況を踏まえ、タイガースは「スクーバル在籍中に世界一を狙う」という明確な意思のもと、2月に入ってから積極的な補強を行った。

 獲得したのは3年総額1億1500万ドルで合意した左腕フランバー・バルデス。長いイニングを投げられる投手が希少となった現在、バルデスはまさに文字どおりのワークホースだ。メジャー8年間で負傷者リスト入りはわずか2度。直近4シーズンのうち3シーズンで192イニング以上を投げている。2020年にフルタイムの先発となって以降の投球回数は973イニング、防御率は3.23。4度サイ・ヤング賞の投票を受けている(最高は22年の5位)。

 シンカーを軸とした球種構成によりゴロ率は61.5%。被本塁打も極めて少なく、20年以降の9イニング当たり被本塁打0.70はリーグ4番目の低さを誇る。23年8月1日のガーディアンズ戦での93球ノーヒッター、昨年5月のレイズ戦での83球の圧巻投球など、支配的な内容の登板も記憶に新しい。

 大舞台での実績も十分だ。アストロズ在籍時のポストシーズンでは通算85イニングを投げ7勝。とりわけ22年ワールド・シリーズ第6戦では、優勝が懸かった試合で6回1失点の好投を見せた。

 その上、04年ドラフト全体2位で指名した生え抜き、大ベテランのジャスティン・バーランダーを呼び戻し、1年契約を結んだ。

 保証額は1300万ドルだが、そのうち1100万ドルは後払いで、30年から支払われる。過去に3度、サイ・ヤング賞を獲得したバーランダーは年齢(42歳)を感じさせない投球を続けている。

 昨季はジャイアンツで152イニングを投げ、防御率3.85。登板終盤にかけて本来の支配力を取り戻し、シーズン最後の13試合では防御率2.60を記録した。

 スクーバルとバルデスを両輪とし、そこにバーランダーが加わる。さらに、24年にドジャースの世界一に貢献したジャック・フラハティ、昨季14勝6敗・防御率3.87のケーシー・マイズもいて、極めてレベルの高い先発ローテーションとなった。

 スクーバル、バルデス、バーランダーの3人と契約をまとめたことで、タイガースは球団史上初めて贅沢税(CBT)ラインを超える見込みとなった。

 現在の総年俸は、基準額の2億4400万ドルを約1200万ドルも上回っている。編成本部長のスコット・ハリスは、22年9月の就任以来、総年俸を1億4892万ドル、1億1880万ドル、1億7892万ドルと抑制的に運営してきたが、今回の判断はその方針を大きく転換するものだ。

 救援陣にもケンリー・ジャンセン、カイル・フィネガンを加え、「勝ちにいく」体制を明確に打ち出した。ア・リーグ中地区では頭一つ抜けた存在。タイガースが12年以来のワールド・シリーズ進出、そして1984年以来の世界一を現実的な目標として捉えられる存在になったことは間違いない。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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