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【MLB】ヤンキースは積極的、ドジャースは慎重 ABS対応にチーム差

 

自動ボール・ストライク・チャレンジシステム[ABS、通称ロボット審判]に対して積極的な姿勢を見せているヤンキースのアーロン・ブーン監督。まだ数試合のオープン戦でしかないが、各チームの使い方に色が出ている。積極的な使用が、試合終盤の大事な場面でどうなるのだろうか。


 ヤンキースが、新たに導入された自動ボール・ストライク・チャレンジシステム(ABS、通称ロボット審判)を積極的に活用している。アーロン・ブーン監督はキャンプ序盤から「ABSを使っていきたい」と明言し、成功と失敗の両方を経験しながら新ルールへの適応を進めている。

 2月24日のブルージェイズ戦では、その姿勢が結果にも結びついた。ヤンキースは8度のチャレンジのうち6度に成功し、判定を覆して8対7の勝利につなげた。オースティン・ウェルズ捕手は2回のチャレンジをいずれも成功させ、ホセ・カバジェロ内野手は1打席で2度成功して四球をもぎ取った。ジャズ・チザム内野手も1度成功し、トレント・グリシャム外野手は2回中1回成功した。

 ブーン監督は「このチームでは長い間、ストライクゾーンをコントロールすることの重要性を説いてきた」と胸を張る。一方で、グリシャムの2度目のチャレンジについては「少し感情的だったかもしれない。確信がないままチャレンジしてしまった」と苦言も呈した。

 一方で2月27日のツインズ戦は対照的な展開となった。ヤンキエル・フェルナンデスルイス・ヒルが誤ったチャレンジを行い、1回裏が終わる前に2回分のチャレンジを使い切ってしまった。ヒルは2回にもストライクに見えた球をボールと判定されてチャレンジを試みたが、すでに権利は残っていなかった。

 ヤンキースはこうした試行錯誤を重ねながら対応を進めている。ABSのチャレンジは1試合2回までで、成功すれば回数は減らない。そのため「終盤まで温存すべき」という考え方もあるが、ブーン監督はその考え方に同意しない。「終盤まで取っておくのではなく、重要なのはその判定が正しいかどうかだ」。

 もちろん、状況の重要度を理解することも必要だ。例えば序盤、走者なし二死、カウント1-0という場面で使うなら、確実に成功させる自信が求められる。ブーン監督は「正しいと思うなら使う。だが、感情ではなく確信で」と語っている。

 一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は慎重な姿勢を見せている。「オープン戦で練習できるのはいいこと。どこで使うべきか、どうすれば有利になるかを話し合っている」。その違いは数字にも表れている。オープン戦最初の10日間で、1試合あたりのチャレンジ数が最も多かったのはヤンキースで3.8回、成功率は52.6%。ツインズが3.6回で続き、レッドソックスが3.2回、ロッキーズとジャイアンツが3.0回だった。

 一方、チャレンジ数が最も少なかったのはオリオールズで1.2回。ドジャースは1.4回、タイガースは1.5回だった。成功率が最も高かったのはアスレチックスで69.2%。続いてジャイアンツが66.7%で2位、レッズ、マーリンズ、パドレスがそれぞれ61.9%で3位に並んだ。

 ドジャースは成功率21.4%で最も低く、オリオールズは25%、メッツは35.3%、レンジャーズは38.1%だった。リーグ全体の成功率は51.3%で、1試合あたりの平均チャレンジ数は2.3回だった。こうした数字を見ると、成功と失敗の両方を経験しながら新ルールへの適応を進めるブーン監督の方針は理にかなっている。少なくとも現時点では、ドジャースはこの新制度への対応で後れを取っているようだ。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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