昭和世代のレジェンドの皆さんに、とにかく昔話を聞かせてもらおうという自由なシリーズ連載。巨人ほかで活躍した西本聖さん編の2回目は、江川卓投手とともに主力投手として巨人を支えた時代のお話です。 文=落合修一 
西本聖
江川がいたから自分も成長できた
──
前回からの続きです。西本さんが巨人で先発ローテーションに定着しかけた1979年に、いわゆる「空白の一日事件」によって江川卓さんが巨人に入団しました。
西本 あれは江川さん本人が決めたことではありません。今思えば読売が「空白の一日」を利用して仕組んだことだと思うので、江川さんは気の毒な立場だったと思いますね。
──実際に江川さんが巨人に合流したときはどんな感じだったんですか。
西本 本人は周囲に気を使っていましたよ。
──世間を騒がせたときはマスコミ経由でダーティーなイメージがあったと思いますが、おそらくご本人に接すると印象が変わりますよね。
西本 そうそう。本人は話すとユーモアがあって楽しいし、頭が切れる。世間を騒がせた自覚があったようで、かなり気を使っていました。
──年齢は江川さんのほうが西本さん、定岡(
定岡正二)さんよりも1つ上なのに、巨人入団は4年遅かった。そこがまた微妙な距離感でしたね。
西本 昔のプロ野球は先に入ったほうが先輩だったので、定岡と「どうやって呼ぶ? 呼び捨てにする?」と相談したんです。でも、「おい、江川」と僕は言えない(笑)。そこで・・・
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