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レジェンドを訪ねる 昭和世代の言い残し

南渕時高(ロッテほか)インタビュー<2>1995年に遊撃から二塁へコンバート「自分のほうがうまいのに、なんで?」

 

昭和世代のレジェンドの皆さんに、とにかく昔話を聞かせてもらおうという自由なシリーズ連載。元ロッテほかでしぶとい打撃を披露した南渕時高さんの2回目は、ロッテで遊撃手として過ごした全盛期のお話です。
文=落合修一

南渕時高


超レジェンドが専属打撃投手?


──社会人の東芝を経て、ドラフト4位で1990年にロッテオリオンズに入団しました。

南渕 運が良いことに、同じタイミングで金田正一さんが監督に就任しました。新しい監督は新しい選手を使いたがるものです。金田さんは現役時代、吉田義男さん(阪神)を苦手にしていて、よく打たれたらしいんですよ。

──右打ちの小柄な遊撃手。

南渕 そうなんです。僕は吉田さんと雲泥の差ですけど、そのイメージを重ねたのか、僕には目を掛けてくれました。すごくかわいがってもらいましたよ。春季キャンプから一軍にずっと帯同させてもらいましたから。金田さんから個人的にノックを受けましたし、「バッピーやったる」と言って打撃投手もしてくれました。こんな新人、僕だけでしたよ。

──ルーキーなのに400勝投手が専属打撃投手だったのですか(笑)。

南渕 打撃練習なのに、金田さんは何も言わずにカーブを投げてくるんです。しかも、さすが金田さんで、すごく曲がる。ストライクゾーンを外れそうだったので思わずバットを止めたら、「なんだ、坊主」と言われました。「今のはボールだと思いました」と言ったら「そうだよ。ボールだよ」って優しかったです。開幕直前に少し守備を勉強してこいとファームに落とされましたが、5月になったところで一軍初昇格が決まり、川崎球場でのイースタンの親子ゲームの試合前にノックを受けたのです。そしたら、ボールがイレギュラーして手元で跳ね・・・

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