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レジェンドを訪ねる 昭和世代の言い残し

五十嵐章人(元ロッテほか)インタビュー<3>全ポジションを経験して一番楽しい守備位置は?「ピッチャーです!」

 

昭和生まれのレジェンドの皆さんに、とにかく昔話を聞かせてもらおうという自由なシリーズ連載。史上唯一「全守備位置」「全打順本塁打」の両方を記録した五十嵐章人さん(元ロッテオリックス、近鉄)の最終回は、オリックス、近鉄時代についてです。
文=落合修一

五十嵐章人


全ポジション出場


──1998年にロッテからオリックスへ移籍しました。

五十嵐 やっぱり(95、96年と)優勝したばかりのチームだったので選手たちのモチベーションが違っていて、面白かったです。各自が自分のやることを分かっていて、大人のチームでした。

──移籍1年目の7月7日、神戸でのロッテ戦で古巣が連敗脱出目前の9回裏二死から黒木知宏投手がハービー・プリアム選手に同点2ランを浴び、結局ロッテが負けてNPB新記録の17連敗となりました。

五十嵐 そのときは相手チームの立場でしたけど、プリアムの本塁打のときは「勘弁してやってくれよ」と正直、思いましたね。プロ同士の真剣勝負の結果とは言え、人間の気持ちとしては。

──翌8日は18連敗で記録更新。その翌日の9日、ロッテが連敗を止めたのも同じカードなんですよね。

五十嵐 小宮山(小宮山悟)さんが完投勝利を挙げた試合ですよね。あれ、最後の打者は僕なんです(二ゴロ併殺打)。古巣に恩返しできたかな(笑)。

──チームメートになったイチロー選手のことはどう見ていましたか。

五十嵐 同じチームに入ると「こういうところもあるんだ」とネガティブな面が初めて見えてくることもあるのですが、彼だけは近付いたことによって「すごさ」を余計に感じましたね。バッティングの隙のなさとか、練習の進め方とか。1月の自主トレで初めて一緒になって、いきなりティーバッティングをボール1箱、一瞬も休まずに同じペースでノンストップで打っていたので「お前、疲れないのか」と尋ねたら「休んだほうが疲れるでしょ」と言われ、全然理解できなかった(笑)。それから話すようになり、「ストライクゾーンに苦手なコースはない。ボール球で勝負されるので、そのボール球をどう打つのかが課題」と聞いて、僕らはボール球を打たないようにやっているのになあと。

──次元が違いましたか。

五十嵐 違い過ぎて面白かったですね。ある日、イチローが本当にボール球を決勝タイムリーにしたことがあって、新聞記者に「あれはボール球でしたね」と聞かれたイチローは「打ったのだからストライクです」と応えました。いやあ、カッコいいなと。確かに・・・

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