
自軍の監督の記録に並ばれまいと勝負を避けるのではなく5打席とも真っ向から挑んだ江川卓[巨人]と、それに応えたバース[阪神]
バースの存在は「信仰」に近い?
「バースの再来」。阪神に主砲候補の新外国人選手が入団すると、マスコミやファンはしばしば期待を込めてこの言葉を使う。
「バース」とは言うまでもない、「史上最強の助っ人」と評される活躍を見せ、昨年野球殿堂入りを果たした
ランディ・バースのことである。
だが、考えてみればこれは不思議な言葉だ。バースがプレーしたのは1983年から88年まで。はるか昭和の昔である。同時期に活躍した外国人選手には、例えば
クロマティ(巨人)や
ブーマー(阪急ほか)がいるが「クロマティの再来」、「ブーマーの再来」といった言葉はあまり聞かない。また阪神にはバース以降も
オマリーや
マートン、
マウロ・ゴメスといった打撃タイトルを獲得した外国人選手がいる。にもかかわらず、取りざたされるのは常にバースなのだ。
バースは「神様」とも呼ばれたが、その存在は時代や「助っ人」の枠を超え、もはや信仰の対象に近い。
そのバースも、83年に来日した当初はそれほど目立った存在ではなかった。同僚だった
岡田彰布によれば、同時に入団した
ストローターのほうが前評判はよく、バースは「サブ的な感じ」だったという。バースは骨折で出遅れたこともあり、開幕スタメンから外れた。初安打は・・・
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