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<1997年8月24日>「いてまえ打線」の真骨頂! パ・リーグ史上唯一、10点差を大逆転した試合

 

ロッテが10点を先制した試合は延長12回裏、二死満塁からフィル・クラーク[中央]の中越え安打で近鉄がサヨナラ勝利を決め、選手たちは笑顔[右端はロッテの二塁手・堀幸一]


2回終了時点でスコアは10対0


 7月28日の楽天対ロッテ戦(楽天モバイル)は、劇的としか言いようがない試合だった。6回表が終わった時点でロッテは6対0と大差でリード。しかも先発・種市篤暉の前に、楽天は1人のランナーを出すこともできないままでいた。

 しかし6回裏、楽天が猛反撃を開始する。辰己涼介の3ランを含む7得点を挙げて逆転に成功したのだ。一度はロッテに追いつかれたものの、最後はクローザーの益田直也から辰己がサヨナラヒットを放ち、楽天は8対7で同一カード3連敗を阻止するドラマチックな勝利を挙げた。

 やはり野球は筋書きのないドラマだ、これこそが野球の醍醐味だ……。喜色満面に球場を引き揚げた楽天ファンはそう思ったことだろう。しかしロッテファンとしてはたまらない。ほぼ勝ったと思っていた試合、よもや完全試合もあるかとまで思っていた試合をひっくり返されたのだから。ガックリと肩を落として球場を去ったそんなファンの中には(そう言えば昔、近鉄から大逆転負けを食らったことがあったな……)とある試合を思い出した人もいたかもしれない。

 1997年8月24日、この年開場した大阪ドーム(現京セラドーム)で、近鉄対ロッテの22回戦が行われた。3連戦の3戦目である。先の2戦はロッテが連勝していた。

 近鉄とロッテは熾烈(しれつ)な順位争いを繰り広げていた。首位争いではない。最下位争いである。低迷する両チームはこの時点でゲーム差なし(勝率の差でロッテが6位)。お互いに負けられない一戦は、日曜日の16時に始まった・・・

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