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あの日、あのとき、あの場所で 球界の記念日にタイムスリップ

<1987年9月20日>自信を持って投じた速球を大学の後輩に打たれた「怪物」が現役引退を決意した日

 

完投勝利目前の9回裏二死からこの日2本目の本塁打となる逆転サヨナラ弾を広島・小早川に浴びた江川は崩れ落ちた


肩の痛みは限界を迎えていた


 巨人のエース・江川卓が肩を痛めたのは1982年、プロ入り4年目の夏だった。

 この年こそ19勝を挙げ、3年連続となるリーグ最多奪三振(196個)を記録したものの、その影響は翌年以降顕著に現れるようになる。150キロを軽く超えていたストレートは鳴りを潜めるようになり、奪三振率は急激に低下した。

 完投数も半減した。全盛期は年間20以上の完投を記録していたが、肩痛を発症してからは試合中盤に痛打され降板するケースが目立ち、いつしか「6回戦ボーイ」や「100球肩」と揶揄(やゆ)されるようになっていた。

「怪物」──。それが江川の異名である。もともとは江川の耳が藤子不二雄Aの漫画『怪物くん』の主人公のように大きいことからついたニックネームだが、その投球は文字どおり「怪物」=「モンスター」と呼ばれるにふさわしいものと言えた。

 作新学院高時代は・・・

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