週刊ベースボールONLINE

あの日、あのとき、あの場所で 球界の記念日にタイムスリップ

<1995年10月25日>1995年の日本シリーズで小林宏が4連敗を阻止した オマリーへ意地の14球

 

オリックス小林宏[左]は日本シリーズ第4戦の延長11回裏一死一、二塁からヤクルトオマリーを粘り強く抑え、サヨナラ敗戦で日本一を決められるのを阻止した


4連敗目前の延長11回裏


 1995年の日本シリーズ、敵地・神宮球場での第4戦(10月25日)を前に、オリックス・ブルーウェーブは絶体絶命のピンチに陥っていた。ここまで3連敗を喫していたからである。第4戦にも敗れれば、1つの白星も得ぬまま、シリーズ敗退が決まるという状況だった。

 この年1月、日本を未曽有の災害が襲った。阪神・淡路大震災。オリックスの地元・神戸も被害を受け、人的にも物的にも多くのものが失われた。それでも前を向いて歩かなければならない被災者の思いを背負い、オリックスは一丸となって躍動した。「がんばろうKOBE」をスローガンに勝利を重ねた青波軍団は、阪急時代の84年以来となるリーグ優勝を成し遂げたのだった。

 相手はヤクルトスワローズ。知将・野村克也に率いられ、93年には日本一を達成したチームは、今や王者の風格さえ漂わせる存在だった。世間はオリックスびいきだったが、ヤクルトもプロである。勝利にかける思いは同じだった。第4戦も先発・川崎憲次郎の好投が光り、1対0とヤクルトリードで9回表を迎えた。

 しかしオリックスは、簡単に負けるわけにはいかなかった。先頭の小川博文が川崎の122球目となるストレートをとらえてレフトに同点アーチを放った。試合は振り出しに戻り、3戦連続となる延長戦に突入した。

 10回裏、オリックスのマウンドには小林宏が立った。本来ならば第5戦の先発を任される予定だったが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

あの日、あのとき、あの場所で

あの日、あのとき、あの場所で

球界の記念日にタイムスリップ

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング