どんな両親だって、グラウンドで大きな声で自分の子どもが怒られる光景を見るのはつらい。一方で、子どもたちが笑顔でグラウンドを駆け回る姿を両親は、たくさん見ていたい。そんなチームをつくりたい。そして大きな目標を立てられるBIGな選手になってほしい。元ヤクルト育成出身の上野啓輔氏は、そんな思いでBIG Baseball Clubを設立した。 文=椎屋博幸 写真=BBM それぞれが笑顔やポーズをとって写真に納まるBIG Baseball Clubナイン。後ろは有志で集まり練習の手伝いをする父親たち。一緒にパチリ
点取りゲームから野球へ
河川敷沿いの球場や小学校の校庭などで、学童野球の試合をしている場面を見かける。ベンチで監督やコーチが座り、選手たちが立って手をたたきながら応援をしている。そういう光景は実はいまだに少なくない。「座って! 休んで、首を冷やして。試合の後半にそれが利いてくるからね」。BIG Baseball Clubの上野啓輔コーチは、3アウトになった瞬間にベンチに帰ってくる子どもたちに声を掛ける。
「上野コーチのような指導をしてくれる方が、学童チームにいたらいいのになあ、と思っていました。その要望を出して、このチームができたんですよね」と父兄の一人が話をしてくれた。
東京都中央区は世代を超えた地域の新しいコミュニティの核として、地域が主体となって運営し、身近な施設で子どもから大人まで誰もが気軽にスポーツやレクリエーションを推奨。一般社団法人として「地域スポーツクラブ大江戸月島」がある。そこには30を超えるスポーツ教室などがあり、その中に「野球」がある。その教室で講師をしているのが元ヤクルトの上野氏だ。
そこで未就学生向けに行っている教室があるのだが、上野氏と出会った子どもたちが「点取りゲーム」などの遊びを通じて、野球を大好きになっていく。そして小学生となり、地元の野球チームに入っていくのだが、それでも上野氏と一緒に野球をしたいという子どもたちや親の意見が多くあったという。
上野氏も「長く子どもたちを指導していたい」という気持ちもあり、自身が代表を務める、株式会社 FROM BASE.で行っている野球スクール“BIG ベースボールスクール”を「浦安」に設立し“BIG ベースボールスクール浦安校”をスタートさせた。
日々成長を見せる子どもたちを見守る親御さんたちから・・・
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