グラウンドから怒号が聞こえると、哀れみを持ってのぞき込むはず。一方、子どもと親の大きな笑い声が聞こえてくれば「何か楽しそう」とその光景をずっと見つめるはず。浅草ブレイカーズには、後者の空間がある。2人の元独立リーガーがコーチを務め「楽しさ」を求めつつ、勝つための厳しさと規律を、笑顔で教える空間がつくり出されている。 文=椎屋博幸 写真=BBM 選手を尊重し成長を促す
初めての場所に取材に行くときには、少なからず緊張する。そんな中、いち早く筆者の姿を探し、小走りに迎えてくれたのが、BCL/新潟などでプレーしていた古市斗馬氏だ。笑顔で迎えていただいた直後に、少年が一人近寄って来た。
「取材をするの?」と。取材の打ち合わせなどの話をしている間も、古市氏の脚に寄り掛かりながら2人の話を聞いていた。「なめられているんですよ」と笑う古市氏だが、小学生にとっては、信頼の証しでもある。
だが練習が始まる直前には、全員がグラウンド入りの際、整列してあいさつを行うなど、規律はしっかりと守らせている。
浅草ブレイカーズは、発足して今年で2年目。ある学童チームから分裂して立ち上げた。「楽しい野球をしたい」という子どもと親の願いを受け・・・
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