一軍のレギュラーシーズン開幕に先立って、ファームリーグのシーズンが始まった。くふうハヤテ球団としては昨年以上の勝利数を目指しつつ、個々の選手にとっては、いかにセ・パ12球団へのアピールをできるかがカギとなる。これを言葉で記すのは簡単だが、実際のところ“12球団入りの壁”は非常に高い。現に昨季、くふうハヤテとオイシックスの両球団で壁を越えられたのは計3人。タイトル級の活躍を果たしても、支配下どころか育成指名も難しかった。ハードな環境に身を置き1年間戦い抜いたあと、少なくない選手がチームを去った中で、今季も再びタフなシーズンに挑む選手たちの姿にはぜひ、注目してほしい。
増田将馬は、昨季のくふうハヤテを語る上では欠かせない選手の一人だ。開幕からチームのリードオフマンを務め上げ、打率.297をマークしたほか31盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。くふうハヤテから12球団へ進んだ
早川太貴(
阪神)や
西濱勇星(
ヤクルト)も、シーズンを通して活躍を見せたもののタイトルには手が届かなかったため、チームで唯一のタイトルホルダーである。しかし、増田の名が昨秋のドラフト会議で呼ばれることはなかった。
確かな手応えを持ってしてもなお届かなかった目標に、今季も挑む。そのモチベーションは「野球を続けたい」というシンプルなものだった。実は昨季も海外リーグから熱視線を浴びていた増田。12球団入りに集中してほとんど意識しなかったというが、昨季を終えて今一度、現役生活を長く続けようと考えた際に視野が広がっていったという。さらなる高みに向けて本人は昨季の自身を振り返り、『単打で出塁する』という強みを見せられた一方、それに尽きてしまったと語った。今季の課題を『長打力向上』と据え、オフには故郷・徳島でひたすら汗を流した26歳。若いチームの中核を担う実力者は今年、どんな活躍を見せ、どんな決断をするのだろうか。
PROFILE ますだ・しょうま●1998年6月29日生まれ。徳島県出身。177cm72kg。右投右打。四国IL/徳島から昨季、くふうハヤテに加入すると初年度から31盗塁をマークし、盗塁王を獲得。
増田大輝(
巨人)は実兄で、自主トレも共にする。本人曰く、オフのゴルフの腕前は「大体同じくらい」。
<TOPICS>2年連続、巨人から派遣
くふうハヤテは3月10日、巨人から育成選手の
山田龍聖投手が派遣されたことを発表した。
山田はJR東日本から、2022年にドラフト2位で巨人入り。ここまで一軍登板はなく、昨オフに育成契約となった。直球とチェンジアップの緩急が魅力の若手左腕は昨季、二軍で救援として29試合に登板し防御率1.65を記録。巨人からは昨年も、
木下幹也投手が派遣され8試合で2勝2敗、防御率1.29の好成績をマークした。
派遣期間は3月11日から6月30日までで、開幕直後の3月に早速6連戦を2回、4月末からGWにかけては9連戦を控えるチームにとって投手の補強は心強い。登板機会を求める山田にとっても、チームにとっても成長の糧となってほしい。
文=松下晴輝[静岡放送(SBS)アナウンサー]