
まずはその前に現ZOZOマリンで優勝できるのか。さらにその前に、トイレにウォシュレットを付けてほしい
マリーンズの新本拠地について。5月23日付の毎日新聞の記事によれば、神谷俊一市長がこのように発表したという。
▼現在のマリンスタジアム近隣の幕張メッセ駐車場に移転。2034年ごろに開業予定
▼骨子は「365日楽しめるスタジアム」
▼野球やイベント会場に加え、民間投資を活用して商業・エンタメ機能の拡張を図る
▼「物価高で困難という消極的な選択ではなく、前向きな選択」として人工芝を採用、ドームにはしない
2006年から現在までに計263回、マリンに足を運んでいる私だ(マリーンズのファンクラブのサイトで確認)。一言ぐらい意見する権利はあると思うので、言わせていただく。
イマイチ――。
10年ほど前なら、普通に受け入れたと思うのだが、エスコンフィールドを見てしまったのである、私たち野球ファンは。「エスコン以前・以後」で球場に対する視線を変えなければならないと思うのだ。
「エスコン以後」の目から見たら、「365日楽しめる」も「商業・エンタメ機能」も独自性を感じない。
さらに10年前と違うのは、夏の猛暑だ。屋根がなければ夏場は、昼はもちろん、夕方〜夜すら蒸し暑い。そして言うまでもなく、天然芝がもたらすプレーの躍動感。
私が思うのは、もう日本の球場は「開閉式ドームに天然芝」しかないだろうということなのだが。
さて、ここからが本論。最近「素人意見」を言いにくい。反論がたちまちあちこちからやってくるSNSの影響だろう。「開閉式ドームに天然芝」と言うと、「建築の費用や技術など、専門的なこと分かってから言えよ(笑)」などと返されそうだ。
でも私は思う。専門的なことを熟知した専門家だけに考えさせるから、大規模建築物はたいてい、現実的でありがちな方向へ、小さくまとまるのではないかと。そしてエスコンフィールドは、そんな「現実・ありがちスパイラル」に陥らなかったからこそ生まれたのではないかと。
だから「野球ファンの気持ちを分かってから言えよ(笑)」的気分で「開閉式ドームに天然芝を」という意見を言ってみようと思う。まずは近々行われるらしいパブリックコメントに寄せてみたい。
「もっと強く願っていいのだ わたしたちは明石の鯛が食べたいと」(詩人・茨木のり子)。
「もっと強く願っていいのだ 開閉式ドームに天然芝をと」(凡人&野球人・スージー鈴木)
PROFILE スージー鈴木●1966年生まれ、大阪府出身の野球文化評論家、音楽評論家。『9の音粋』(BAYFM)の月曜DJ。近著に『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる』(ブックマン社)、『サブカルサラリーマンになろう』(東京ニュース通信社)。新刊に『沢田研二の音楽を聴く 1980-1985』(日刊現代)。