パ・リーグを戦う西武の最大のストロングポイントである投手陣。近年、急速に力をつけてきたが、その裏には一体、何が隠されているのか。ライオンズ投手王国への道を追う――。 取材・文=中島大輔 写真=兼村竜介 8月21日のオリックス戦ではストレートの投球割合を減らして好投を見せた隅田
新たな一面が見られたオリックス戦の投球
本拠地ベルーナドームで8月30日の
日本ハム戦に敗れた西武は26試合を残してクライマックスシリーズ出場の可能性が消滅、Bクラスが確定した。
残り試合は来季以降を見据える色が一層強くなる中、各選手がどんなモチベーションで戦うのか。その意味で特に大事なラスト1カ月になるのが
隅田知一郎だ。
「今年は2ケタ勝利します!」
8月21日に行われたオリックス戦(ベルーナ)で今季8勝目を挙げると、お立ち台で宣言した。大卒2年目の昨季は最終戦で勝利できずに9勝10敗。その悔しさを晴らすべく初の2ケタ勝利を目指す一方、球団にも隅田の飛躍は不可欠だ。
高橋光成、
今井達也、
平良海馬が将来のMLB移籍を望む中、次のエース候補を育てる必要があるからだ。
99球の“マダックス”で今季初完封を飾った6月12日の
広島戦(ベルーナ)から11試合続けて6イニング以上投げている隅田の新たな一面が見られたのは、6回無失点に抑えた前述のオリックス戦だった(※今季のデータは8月30日時点、以下同)。
「いつもと違うような自分になりました。それでもしっかり(捕手の)古賀(
古賀悠斗)と意思疎通しながら投げていけました。でも毎回こういうピッチングをしたいわけじゃないんで。初めてこういう感じになりましたけど、悪くなかったと思います」
ヒーローインタビューを終えて記者の取材を受ける隅田にいつもと投球割合が極端に変わったことを問うと、複雑そうな表情で答えた。この日は全98球の中でストレートの割合が21.4%しかなく、スプリットが37.8%だった(チェンジアップは18.4%、カーブは22.4%)。
以下は昨季の投球割合だ。比べると・・・
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