グラウンドの主役は、選手である。各カテゴリーの大会、試合を開催していく上で、多くの関係者が尽力している。競技を発展させるには技術向上、普及・振興のほか、国際化、ルール作り、審判員の養成など、さまざまな活動がある。組織をマネジメントする各球界幹部に、運営視点から話を聞く新連載をスタートする。 取材・構成=岡本朋祐、中野聖己 写真=BBM 
全日本野球協会[BFJ]はアマチュアそれぞれの野球団体の代表組織。国際的な分野の窓口となっている
BFJの果たすべき役割
2018年より全日本野球協会(BFJ)会長に就任し、4期目を迎える。協会の歴史を紐解けば、1967年に日本アマチュア野球国際委員会として発足し、90年に全日本アマチュア野球連盟となりJOCに加盟。13年より現名称に改称された。多くのアマチュア団体を束ねるトップ組織であると同時に、プロアマ連携の象徴として16年に発足され、自身が会長を務める日本野球協議会を通じて日本野球機構(NPB)との連携も司る組織だ。野球界における全日本野球協会の位置づけと役割とは何か──。 全日本野球協会(以下BFJ)というのは、社会人野球、大学野球、高校野球、軟式野球、最近では女子野球、アマチュアそれぞれの野球団体の代表組織であって、統括組織ではありません。一競技、一団体がそれぞれ国とつながっています。代表組織であるBFJが国際的な仕事を、責任を持ってやるわけです。U12、15、18、23など各世代の日本代表選手、IF(国際競技連盟)、JOC(日本オリンピック委員会)、IOC(国際オリンピック委員会)につながる業務、日本の野球全般の普及、強化、ルールの改正や統一、指導者教育や研修、審判や記録員の育成など野球界全体を司る組織です。
野球界の組織はみな歴史が100年以上あって、各組織の理念を持って歴史を刻み、文化を作りながら現在に至っている。良く言えば多様性、野球界はダイバーシティです。サッカーの場合はピラミッド型の組織が確立されていますが、1980年代後半、当時の状況からの打開策として、最終的に発足したのが93年のJリーグでした。野球はどこの球場もお客さんは入っているし、各々努力して、それぞれ価値観を持ちながらやっている中で、それを壊すのはなかなか難しいことです。しかし、野球も今は競技人口の減少が著しい。2008年に160万人いた登録者数が90万人まで減少しています。連盟やチーム、また個人でもさまざまな対策を講じていますが、目立たないですよね。みんな野球が好きで、野球がいつまでも繁栄することのサスティナブルなものを望んで努力しているけれども、なかなかその流れを断ち切れない。それならば、もう少し分かりやすく抜本的な対策をやらなければいけないのが今なんです。失うものは何もないという状況になったときはもう、遅れてしまうわけで。
例えば中学生の部活の地域移行に対して、どういう協力ができるのか。
王貞治さんが設立された「球心会」のような、これからの100年を考えたときに、我々は全日本野球協会としてプロ野球と連携して、日本野球協議会での議論の上に動いていく。それが今の日本の野球界の一番大きな課題であることは間違いない。そういう役割を果たすのが、このBFJの最も大きな仕事だろうと思います。
野球の国際化への取り組み
国内競技人口の増加対策に加え、野球の国際化も大きな課題ととらえている。そこでBFJが普及活動に力を入れているのが「Baseball5」。1チーム5人制、5イニング制の野球/ソフトボールの新しいストリート競技で、世界80カ国以上に広がりを見せ、2026年ダカールユースオリンピックの公式種目にもなっている。必要な用具はボールだけ、21メートル四方のフィールドの中で行う手打ちのベースボール型競技。場所も性別も年齢も問わず、手軽に楽しめる新感覚のスポーツだ。 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)が野球・ソフトボールの普及のために立ち上げました。野球への導入のツールとして、キューバでやっていた遊びを今流にアレンジして、野球後進国のアフリカやヨーロッパに導入として野球につなげていこうというのがリカルド・フラッカーリ会長の考えです。野球のためにということでスタートしましたが、野球とは違う魅力があって、独立した競技になるのではないかとも思っています。ひょっとしたらBaseball5も、早い段階でオリンピック種目になるかもしれません。Baseball5を野球やソフトボールのように、一つの競技としてとらえてもいいのではないかと思っています。
Baseball5もそうですが・・・
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