
横浜スタジアムはスタンドに傾斜があり、多くの選手が「声援が上から降ってくる」と話し、それがプレーを後押しする[写真=BBM]
どの球場でも準備が重要
今回は特集が球場特集ということなので、このコラムでも少し、選手目線で見た球場に触れてみようと思います。
自分自身、これまでに小さいころから含めていくつかの球場で試合をしてきました。その中でも現在のホーム球場である横浜スタジアムは好きな球場の一つです。傾斜があってフィールドをグルッと囲うスタンドの形が影響していると思うのですが、プレーしていると応援が上から降ってくるように感じるんです。演出なども相まってイ
ケイケな雰囲気も好きですね。一方で青が基調なので落ち着くし、集中しやすくもあるんです。それになんと言ってもベイスターズファンの皆さんのポジティブな応援は12球団でも屈指。プレーしていて本当に力をもらえるので、ありがたいです。
あらためて好きな球場がどこか考えてみると、自分の成績とイ
コールになっていました。もちろん横浜スタジアムもそうですが、神宮球場も好きです。それと、チーム成績からは意外に思われるかもしれませんが、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム
広島では個人的に打撃の調子が良いと感じているので、好きな球場の一つです。逆に東京ドームとバンテリンドームナゴヤは少し苦手かもしれません。甲子園球場は可もなく不可もなくといったところです。こうして並べてみると、屋外球場とドーム球場にきれいに分かれましたが、確かに外で野球をするほうが好きです。ドーム球場は、決してそんなことはないとは思いますが、空気がぼやけているというか、こもっているように感じてしまうんです。実際に打席に立てばそこまで気にすることはありませんが、成績と結びついたイメージなのでしょうか。
一方で守備のほうで考えると、風がない分、ドーム球場のほうが守りやすいのは確かです。強風が吹くZOZOマリンスタジアムのような球場だと変化球も多少は影響するので、リード面でも影響してきます。そう考えると純粋にピッチャーの持ち味、持っている球質を引き出し、生かしやすいのはドーム球場ということになります。ただ、そういう状況でも力を引き出すのがキャッチャーの腕の見せ所です。変化球でも風向きによって変化量が大きく変わることもあります。そうしたときに、球の回転数を下げるフォークのような変化球がよく曲がるのか、カーブやスライダーのような回転数を上げる変化球がいいのか、そういうことを考えながら組み立てていきます。そのためリード面ではどちらが良いとは言えないというのが本音です。時と場合という言葉が正しいでしょうか。
ドーム球場の最大の利点は、言うまでもなく天候に左右されないということ。よほどの悪天候でない限り試合は行われますし、極寒ということも酷暑ということもない。ただ、屋外の球場でも季節に合わせてしっかり準備していけば、そこまで大きな問題ではないと思っています。
あと、球場の違いで言えば、フィールドの種類。天然芝、人工芝、土と3種類ありますが、一番守りやすいのは人工芝です。球足が速いので、内野陣がそこまで前に出ることはありません。一方で天然芝だと球が来ないので少し前で守ったり、天然芝と土のつなぎ目でイレギュラーすることを考慮したりしなくてはいけない。土の場合もイレギュラーを考慮するので、ここぞという場面では三振を狙いたくなります。ただ、そこまで配球を大きく変えることはありませんが、常に頭に入れて、その状況においてベストな選択をできるように考えています。
少年時代のあこがれ
球場には小さいころの思い出も詰まっています。個人的な思い出の球場は、大阪ドーム。今の京セラドームです。大阪出身なので大阪ドームと甲子園にはよく野球を見に行っていました。特に大阪ドームは実家からも近かったので、当時の少年野球のチームメートたちと見に行っていて、当時の
オリックスには
タフィ・ローズ選手や
グレッグ・ラロッカ選手、キャッチャーには
日高剛選手が在籍していたのをよく覚えています。小学校から帰ってきて、家にランドセルを置いて大阪ドームに行くと、だいたい開門の時間。ビジター練習が始まったくらいのタイミングです。それこそ
日本ハムには
ダルビッシュ有さんがいて、めちゃくちゃ体が大きく背も高くて、小学生ながらに衝撃を受けましたし、試合前のキャッチボールもかぶりついて見ていました。試合になればプレーも楽しんでいましたが、「ファウルボールが飛んでこないかなぁ」と、期待していたものです。子どもだったのでそれも楽しみでした。
あとはグッズも買っていました。学校で使う下敷きは、もちろん野球選手のものです。大阪出身で、今は
DeNAでプレーしていますが、実は
西武ファンでした。小学校のころの作文にも「将来は西武ライオンズの選手になる」と書いていたほどです。その中でも、当時は内野手で、同じ内野手で足も速くてイケメンでかっこ良かった片岡易之選手のファンだったので、片岡選手の下敷きを使っていました。それに当時は日本ハムに
新庄剛志選手がいて、プレーだけでなくパフォーマンスで盛り上げていて、それが球界全体に広がった時期だったように感じます。西武の選手たちもすごく楽しそうに野球をやっていて、魅力的でした。
自分も子どものころに憧れていたので、チャンスがあればパフォーマンスをしたいな、なんて思っていますが、やはりキャッチャーですし、チャンスも少ないので控えています(笑)。ただ、ベイスターズの若い選手や同年代の選手たちは盛り上げる選手が多いので、見ていて楽しい。だからもっとパフォーマンスをできる状況を作っていきたいです。
球場での楽しみ方は人それぞれ。プレーを見るだけでなく、球場グルメや雰囲気を楽しむだけでも良いと思います。ただ、どんな状況でもプレーは続いているので、応援していただけたら選手としては本当に励みになります。自分なりの楽しみ方を見つけに近くの球場へ、そしてぜひ横浜スタジアムにも足を運んでみてください。
PROFILE 山本祐大/やまもと・ゆうだい●1998年9月11日生まれ。大阪府出身。180cm87kg。右投右打。[甲]京都翔英高-BCL/滋賀-DeNA18[9]。