週刊ベースボールONLINE

山本祐大コラム

山本祐大コラム 第5回 カギを握る交流戦「普段は対戦できない選手と対戦できる 貴重な機会を楽しみたいと思います」

 

山本が対戦を熱望する今井[左]と宮城。交流戦は普段は見られない選手同士の対戦を見ることができる貴重な機会だ


チームは上り調子


 シーズンの約3分の1が終わり、もうすぐ交流戦が始まります。チームは5月に入るあたりから徐々に状態が良くなってきて、中旬過ぎからは打線もつながるようになり、投打がかみ合う試合も増えてきました。チームは開幕から調子が上がらないときもみんな変わらず明るいですが、最近では「行ききる雰囲気」が出てきたとように感じています。ベイスターズの良いところは、勝っていても負けていても、一つ良いプレーが出ると、みんながその流れに乗って「行ききる」ことができるところだと感じています。言葉で説明は難しいのですが、攻撃では一つのヒットや、それこそ粘って奪ったフォアボールから打線がつながったり、守備でも一つのいいプレーが投手の好投を呼んだりもします。それがどちらで起こっても、そこから攻守両面につながっていくのです。これはどのチームでも起こり得ることですが、ベイスターズはそれが起こりやすいように感じていますし、ようやく今シーズン、起こるようになってきました。負けた試合も無抵抗のまま終わらずに、次の日につながる試合ができていると感じています。

 個人的には、打率はまだまだ上げていかなくてはいけないですが、打撃の状態は徐々に上がってきています。得点圏打率(.444)も上振れをキープしたまま(笑)、ここまで来ることができています。チャンスで何もできない選手より、何かできる選手でありたいなと思っているので、良いところで打てていることはうれしいです。シーズン当初は投手陣に頼る試合が多かったですが、ここに来て野手陣も若くて勢いがある選手が出てきました。それにもともと力のある選手が復調してきて収まるところに収まりつつあります。調子の波は誰にでもありますし、その時々で調子が良い選手は絶対にいますが、その中に常に名前を連ねていければと思っています。

大胆かつ繊細に


 このいい流れを切らさずにシーズンを戦い抜くためには、これから始まる交流戦がカギになってくると思います。ベイスターズは昨年の交流戦で11勝7敗の貯金4で3位、セ・リーグだけでみればトップの成績でした。交流戦前までは21勝24敗1分けだったので、ここでシーズンの流れを変えたとも言えます。

 交流戦の相手、パ・リーグのチームとは、日本シリーズで対戦しなければ年に3試合しか戦いません。キャッチャー目線で言えば、相手打者のことを映像やデータで調べますが、普段、肌で感じていないので難しさはあります。それこそ映像で見ていたときと、実際にバッターボックスに入って、後ろから見たときの感覚では全然違うということはざらにあります。初球の見逃し方やファウルを打ったときの感じなどを見て、「全然違うな」と。そうしたときに、いかに自分の感性を信じることができるか。そこで迷ってしまったら打たれてしまいます。セ・リーグのデータが入った打者を相手にするときよりも、繊細かつ大胆に配球を組立てていく必要があるのが、交流戦です。

 交流戦で普段と違うことは対戦相手のほかにDH制があります。「打線にピッチャーがいたほうが、ある程度アウトの計算が立てられるから楽」ということをよく言われますが、そうでもありません。交流戦のパの投手は普段は打席に立つことがないので、『バッター』として、何よりその打席を楽しんでいるように見えるので不気味ですし、守る側としては抑えて当たり前と思われているのかもしれませんが、そんなこともありません。一方で打者が9人並んでいると、自分の分析を元に配球を組み立て、一人ひとり勝負して抑えていけば良いと思えるので、嫌なイメージが沸くこともありません。もちろん、打線としてつながりやすいので注意はしなければいけませんが。

貴重な対戦の機会


 ただ、ベイスターズは昨年、交流戦でもパ・リーグの主催試合、つまりDH制で行われる試合で8勝1敗と大きく勝ち越しました。相手からすれば切れ目のない強力打線は、かなりやっかいなものかもしれません。

 打撃面で考えると、相手チームも自分のデータが少ないのはお互い様です。ただ、パ・リーグにも良い投手がたくさんいるので、それこそ去年は『当たって砕けろ』の精神だったので、今年もそういうイメージで打席に入りたいなと思っています。やはりピッチャーについても映像で見たときと、実際に打席に入って見るのでは印象は違いますし、キャッチャーの組み立て方もイメージが変わります。そうなると打てるボールを打ちにいかないと後手を踏んでしまうので、大胆に振っていくというのも、大事になってきます。それに交流戦では「自分のことを知らないだろう」くらいの感覚で打席に入れるので、割り切ることができます。好きとか嫌いとかはないですが、いつものシーズンとは違った野球をできるという自分の中での感覚です。シーズンに18試合しかありませんが、毎年印象深い期間になっています。

 交流戦ならではの楽しみと言えば、普段は行くことがない土地に行けたり、その土地の食事を楽しんだり……と思われるかもしれませんが、やはり普段は対戦できない選手たちと対戦できることです。関わりはあるのになかなか会えなかった人に会えたり、対戦できたりすることは、やはりうれしいです。対戦したい選手はたくさんいますが、その中でもオリックスの宮城(宮城大弥)君と、西武の達也(今井達也)とは、特に対戦してみたいです。この二人は侍ジャパンでボールを受けさせてもらいましたが、日本代表という名のとおり、本当に素晴らしい投手でした。達也とはオープン戦(3月21日・ベルーナ)で対戦しましたが、結果は三ゴロ。交流戦で対戦することができれば、次は絶対に打ちたい。ローテーションの巡り合わせもあるので対戦することができるか分かりませんが、対戦するとなったら年に1回、あるかないかの勝負を楽しみたいと思います。

PROFILE
山本祐大/やまもと・ゆうだい●1998年9月11日生まれ。大阪府出身。180cm87kg。右投右打。[甲]京都翔英高-BCL/滋賀-DeNA18[9]。
山本祐大の捕手論 花よりも花を咲かせる土となれ

山本祐大の捕手論 花よりも花を咲かせる土となれ

DeNA・山本祐大がそのときの自分の調子や考えていること、野球に関することからそれ以外のことまでをつづる隔週コラム

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング