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綱島理友のプロ野球ユニフォーム物語

プロ野球ユニフォーム物語 第1話「読売ジャイアンツ編 Vol.1」

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イラスト=イワヰマサタカ


 現在のプロ野球、NPBにおける第1号のユニフォームは、読売ジャイアンツの前身、大日本東京野球倶楽部が1935年に行った第1回米国遠征で着用したグレーの上下である。この球団は34年に開催された、ベーブ・ルース参加の大リーグ・オールスターと対戦した全日本を母体に結成された。しかし続いて発足するはずの他球団の創設までにはまだ時間が必要で、チームは武者修行のため米国に渡った。

 このときのユニフォームは実物が1点だけ残っていて、現在は長崎県営野球場の入口正面に飾られている。遠征に参加した長崎出身の内堀保が寄贈したもので、胸マークには盾型ワッペンで日の丸と「TOKYO」のアルファベットが描かれていた。盾型ワッペンは19世紀の野球草創期のユニフォームでよく使われた。

 球団創設の立役者だった鈴木惣太郎とその仲間たちは、米国野球史に詳しかった。おそらく彼らのこだわりやアイデアだったのではないかと思われる。盾型ワッペンの輪郭は鮮やかなオレンジで「TOKYO」の文字はネイビー。ラインもオレンジ、白、ネイビーの3色仕立て。プロのユニフォームらしく豪華に仕立てられていた。当時の価格で一着50円。一流企業に就職した大卒の初任給が70円ほどの時代。現在の価値に換算すると10数万円ってところか。玉澤運動具店で選手、監督、役員用も含め合計23着が製作された。

 3色仕立てのラインなど・・・

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職業野球として日本のプロ野球が創設された戦前の時代から、プロ野球で使用されたユニフォームすべてを網羅した図鑑が完成するような連載

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