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クロマティコラム No.2 日本野球界と球団拡張「長嶋さんが野球界に残してくれたものは、永遠に生き続ける」

 

 6月3日、日本は、この国の野球のDNAを定義付けた長嶋茂雄さんという国民的英雄を失った。僕は長嶋さんと数回しか会ったことはないが、非常に興味深い人で、彼が現役時代からいかに野球界に貢献し、日本人に愛されてきたかを伺い知ることができた。彼は日本でのみ有名なのではなく、アメリカでも戦後日本の象徴として有名な日本人だった。

 長嶋さんと同じ巨人軍でプレーができたことを、僕はとても誇りに思っている。彼が野球界に遺してくれたものは、永遠に生き続けるだろう。長嶋さん、あなたに心からの感謝を捧げます。(ウォーレン・クロマティ)

ファーム参加している新潟と静岡が、球団拡張の筆頭候補だろう[写真は新潟のオイシックス、写真=桜井ひとし]


 長嶋さんがその人気拡大に大きく貢献した、日本野球界。しかし昨今、NPBはMLBのファームのようだとさえ揶揄(やゆ)されるようになった。NPBを盛り上げるには、どうすればいいか。僕は以前から、NPBの球団拡張を訴えている。NPBは、1958年に12球団体制になって以降、ずっとその数を維持している。あまりに長過ぎるんじゃないか。

 日本にはこれだけの人口がいて、野球は人気No.1スポーツ。全国各地にいいスタジアムがある。それなのにセ・パ6チームずつでリーグ戦をし続けるなんて、つまらないと思う。選手からしても、同じ対戦相手とすぐ当たるのは面白みに欠けるんじゃないかな。実際、僕は巨人にいたとき、そんなふうに感じていた。

 そこで、まずは2チーム、新しい球団を増やすのはどうだろう。候補は新潟、静岡、松山(愛媛県)、沖縄。いま、イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグに参加している新潟(オイシックス)と静岡(くふうハヤテ)が、筆頭候補だろう。ファームチームだけあって、トップチームがないのはいかにも不自然だ。

 球団拡張は、野球界をきっとワクワクさせてくれると思う。今、NPB内の“ライバル球団”といえば巨人-阪神ぐらいだが、球団を増やすことで新しいライバル関係が生まれれば、公式戦もより盛り上がる。MLBのヤンキース-レッドソックス、カブス-カージナルスといった“因縁の対決”のようにね。

 近年、NPBのスター選手がこぞってMLBに移籍してしまうばかりか、大学からアメリカに行く選手まで出てきた。NPBがもっともっと魅力的なものになれば、そうした海外流出も食い止められるんじゃないかと僕は思う。彼らはモチベーションの上がる“チャレンジの場”を求めて、アメリカに渡るんだ。それが問題なら、なぜNPBを変えようとしないのか。12球団のオーナーも球団拡張に反対するばかりでなく、そこを真剣に考えたほうがいい。

 ちなみにMLBは2028年ごろ、現在の30球団から32球団に拡張することがほぼ決まっている。候補の一つであるモントリオールには、かつて僕が在籍していたエクスポズがあった。僕は今、「モントリオール・ベースボール・プロジェクト」の代表として、モントリオールにエクスポズを復活させるための活動を行っている。これは、僕の天命だ。もしこのコラムを読んで、「チームを買ってもいいよ」という人がいたら、ぜひ僕に知らせてほしい。

PROFILE
ウォーレン・クロマティ●1953年9月29日生まれ。アメリカ・フロリダ州マイアミビーチ出身。マイアミ・デイド大を経て74年からエクスポズ、84年から巨人に在籍し、90年までプレーした。89年に首位打者、最高出塁率、84年と86年に最多勝利打点。89年に最優秀選手、ベストナインは3回受賞(86、87、89年)。NPB通算779試合、打率.321、171本塁打、558打点。91年にロイヤルズでプレーし同年限りで現役引退。以降は野球解説者などで活動し、YouTube「クロマティチャンネル」を展開中。
最強助っ人・クロマティが斬る!!「日米・野球考察」

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最強助っ人・クロマティ(元巨人)が日米の野球を見て、気が付いたこと、日米両方の野球関係者と話したことなど、クロマティならではの視点で読者の皆さんにお話しする隔週コラム。

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