強肩強打の捕手として期待されたが、一軍出場がないままユニフォームを脱いだ。不動産業界へと転身。野球で培った体力と情熱、そして、努力でトップセールスマンとなった。独立し、貪欲に仕事を突き詰めている。 取材・文・写真=尾辻剛 
東京ミッドタウンにオフィスを構え、10億円以上の大型の案件に携わる
26歳で現役引退
まったくの未知の世界で、ゼロから成り上がった。元
ヤクルト捕手の
高橋敏郎は現役引退後、不動産業に転身。現在は独立して「株式会社高橋商事」を立ち上げ、東京都港区赤坂の東京ミッドタウンにオフィスを構える。10億円以上の大型の案件に携わり、時には100億円規模の物件も扱う。プロ野球選手時代は目立った実績を残せなかったが、別の分野で成功の道を歩んでいる。
「プロ野球選手を引退した後は、10年くらいはプロ野球を見られませんでした。見たくなかったんです。クビになって、野球が嫌いになっていましたね。今は野球とも向き合えますけど、当時は嫉妬みたいな気持ちもあったんだと思います。何とか野球界を見返すというか、元プロ野球選手が野球以外の道でもこれだけやれるんだ、成功できるんだということを示したかったんです」
山形県の新庄東高から石巻専大に進学。強肩強打の捕手として1年時から活躍した。
巨人なども獲得に動きを見せた中、2002年ドラフト7位でヤクルトに入団。30代後半に差し掛かっていたベテラン
古田敦也の次の正捕手候補として期待されていた。だが、レベルの高さに困惑する。遠投120メートル超、二塁送球1.7秒台の強肩が武器の一つだったが「二塁まで届かなくなったんです」と振り返る。今でいうイップスのような状態に陥ってしまった。打撃でも大学時代のような飛距離が出ない。「パニックでした」と精神的に不安定な日々だった。
プロ3年目の05年は・・・
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