取材・構成=高橋幸司、写真=湯浅芳昭、前島進、榎本郁也 多くのエース級が抜けたホークスだが、この右腕の存在が今季の戦いの行方、そしてチームの未来を明るく照らしてくれている。7月7日にプロ初登板初先発初勝利を挙げて以来、先発ローテの座をモノにし、6試合を投げ4勝無敗(8月19日現在)をマークする武田翔太だ。高卒新人の無傷の4連勝は堀内恒夫(元巨人)以来の快挙だが、トレードマークの「笑顔」に加えて、何より驚かされるのは、高卒ルーキーらしからぬマウンド上での物おじしない投げっぷりだ。なぜ堂々たるピッチングができるのか。驚異の19歳を直撃した。 体感160キロ超が理想
――プロデビューから1カ月余りで4勝をマーク。この好成績をどう、とらえていますか。
武田 僕の中では調子が上がってきていないんですよね。最低限度、試合を作れるピッチングができているかなという感じでしかないです。
――調子は良くないと?
武田 はい。真っすぐの指のかかりも悪いですし、変化球のコントロールにしても、いいときに比べればまだまだなんで。
――抜け球が目立つのは確かですが。
武田 はい。それがなくなれば、もっといいリズムで投げられるようになる。いまは野手の皆さんが、しっかり守って助けてくださっているというところが大きいと思います。
――それでも高卒1年目の早い段階で、これだけ勝てている。
武田 別に、相手がプロだからとか、そういうことは意識しないです。同じ人間なんで(笑)。プロだからとか、アマチュアだからとか、そういうのは関係ないと思います。だから壁も感じないですし、常に勝負する心を持ってマウンドに上がっています。
――物おじしない堂々とした振る舞いと、多くの方が評価しています。
武田 はい。マウンドでは「上から目線」が、第一ですから。
――中学時代からメンタル強化に関する書物を読んできたそうですが、その効果がプロでも表れていると。
武田 そこが自分のピッチングスタイルの基盤になっているんで。ただ・・・
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