9月3日現在、4位・ヤクルトに1ゲーム差のリーグ3位につける広島。球団史上初となるクライマックスシリーズ進出が迫るチームを支えてきたのは、若い力にほかならない。前田健太、野村祐輔、今村猛ら投手陣、打線ではチーム唯一の全試合出場を続ける堂林翔太の奮闘が光っている。カープの“新黄金期”到来を予感させる若鯉たち。その中でも特に大きな期待を集めている、背番号13が秘めた可能性を探る。 シーズンが佳境に差し掛かり、21歳のスラッガーに送られるスタジアムの声援は、プロ初の一軍でスタメンに名を連ねた開幕当時とは大きくその“質”が変わりつつある。
好機で打席に入ると、大歓声に包まれる。だが、そこで凡打に倒れれば容赦ないヤジが飛ぶようになった。ただの若手への「期待」ではない、未来のチームを背負う「使命」をファンが感じ始めている証拠だろう。
「チャンスは嫌いじゃないし、主軸を任されることで、自分の結果がチームの結果につながると思う」
交流戦からクリーンアップを任され、初のオールスター出場も果たした。チームでただ一人全試合出場中の一方で、他球団からのマークは厳しさを増している。今季8度放っている殊勲安打も、8月3日の
阪神戦(マツダ広島)が最後。下降気味の調子を考慮され、8月後半には下位打線へと打順を下げられた。
「打順は関係ないです。結果が出ないのは僕の実力不足。大事な時期だし、もっと頑張らないといけない」
守備面でも試練が訪れている。9月3日現在で、27失策は両リーグワースト。8月19日の
巨人戦(東京ドーム)では、ともに失点につながる2失策を記録し、唇をかんだ。試合後、「今日はお前のせいで負けた。ここから先、お前で勝った試合を作って取り返せ!」と、野村監督から厳しく叱咤された。
振り返れば開幕前、「今年は我慢してでも堂林を使う。彼は将来のカープを担う選手。いろいろなことを経験しながら大きくなってほしい」と、現在の状況を“予言”していた。シーズン残り30試合を切ったいま、球団史上初のクライマックスシリーズ進出、そして、チームの“新黄金期”到来に向けて、背番号13を中心とする若い力が必要なことを指揮官も感じているのだ。
現在、攻守に正念場を迎えている堂林翔太。だが・・・
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