最強チーム特集の締めは、高校野球界に目を転じよう。あらゆる世代で数々のチームが甲子園の伝説となってきた。 それぞれの胸に、「このチームこそ最強」だと熱く語れるものがあるに違いない。 世代を超えた空想対決もまた楽しい。ひとときのノスタルジーに浸ろう。 文=楊順行(スポーツライター)
大河ドラマのごとき盟主の推移 たとえば居酒屋で、高校野球好きと最強チーム話で盛り上がることはありませんか。KKのPL?松坂の横浜?そこにギネス級のご長寿がいれば、吉田正男で1931〜33年と夏を3連覇した中京商(現中京大中京)を挙げるだろうし、団塊の世代なら、
柴田勲の法政二と
尾崎行雄の浪商(現大体大浪商)が記憶にあるはずだ。アル
コールの酔いも手伝って、たいてい収拾がつかないのだが。
まあ、時代の違うチームを比較するのがどだい無理な話。たとえば体操競技にウルトラCという言葉があったが、技術の進歩によっていまの最高難度はGとかH。ウルトラC程度なら、中学生でも鼻歌交じりである。高校野球でも、球種は直球とカーブのみの時代から、いまやスライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム……を投げ分け、金属バットは下位打者にもサク越えの飛距離を与えている。夏の第1回大会から約100年。技術も戦術も、進化していないほうがおかしい。
あえて最強チーム議論を続けるなら・・・
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