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関西の高校出身の強打者の名を挙げていけば枚挙に暇がない。
豪快なスラッガーを輩出し続ける秘訣はどこにあるのか。また、その風土との関連性とは?
長く関西の野球を現場で取材し続けているスポーツライターの谷上史朗氏がその源流に迫った。

文=谷上史朗 写真=BBM


「おもろいやないか」と
個性を認める土壌

「ホームランバッターが関西に育つ理由? まあ、関西いうか大阪やね。もちろん、野球が盛んな地域で少年野球人口も多いけど、野球どうこうの前に大阪人の気質が大きいんやないかな。何をするにも細かいことをコチョコチョやるより『よっしゃ、いてまえ!』のノリでいく気質。それが野球にも表れて、豪快に打つ、飛ばすっていうのが、指導者も選手も大阪の野球人は好きなんですよ」

 そう話したのはプロの世界で長らくスカウトとして活躍し、現在は大阪で中学硬式チーム(東成シニア)の総監督も務める堀井和人。自身も高校時代は「私学7強」の一角を占めた明星高でプレーし、南海入り。現役引退後は南海・ダイエー、近鉄、オリックスで関西地区を担当しながら、中村紀洋(DeNA)やT-岡田(オリックス)らの獲得にも関わり、清原和博(元西武ほか)、中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)ら高校球界の怪物たちの姿も追いかけてきた。まさにプロアマを通じ関西球界の歴史を見てきた人物でもある。

▲中村剛也



 その堀井も指摘したように、確かに「関西」より「大阪」のくくりの方が、プロ野球、高校野球の世界でもアーチストの系譜をすんなりイメージさせる。清原、中村紀、中村剛、中田(中学までは広島)、T-岡田……。高校時代のイメージでいうなら浪商の“ドカベン”香川伸行や上宮の元木大介、大阪大会7本塁打の記録を持つPL学園・福留孝介(中学までは鹿児島)、高校通算70本塁打の大阪桐蔭・平田良介なども、本塁打の印象を強く残した選手たちだ。堀井が真っ先に挙げた大阪人気質には・・・

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