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 星野仙一監督が7回、三木谷浩史オーナーが5回、立花陽三球団社長が4回、胴上げで宙を舞い、ナインはクリムゾンレッドに染まる西武ドームのライトスタンドへとおもむき万歳三唱。歓喜の輪の中、顔をくしゃくしゃにして涙を流す選手がいた。

 プロ17年目の中継ぎ右腕・小山伸一郎。球団の創設メンバーであり、投手陣のまとめ役でもある35歳は、かつて楽天というチームについて次のように語っていた。「よく監督が『気の優しい選手が多い』と言っているように、それが悪い方に出るときもありますけど、本当に一人ひとり、みんな性格がいいんですよ。つくづく、このチームはいいなと思います。だから、このメンバーで優勝できたら最高だと思うんです」

 優勝会見では「自分の今年の成績とチームの成績がマッチしていない悔しさと、うれしさと、いろいろ混ざって涙になりました」と冗談めかしたが、楽天というチームが歩んできた濃密な時間を物語るような、胸を打つ涙だった。

 創設元年の2005年はわずか38勝。その後、昨年までの8年間でAクラス入りは1度で最下位が3度と低迷が続いた...

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