いつの時代も強い巨人がいた。そして、その強力打線に敢然と挑んだ投手たち。この構図が日本のプロ野球界を華やかに彩ってきた。ここからは、古今東西のピッチャーをクローズアップしてみたい。 “神様”もお手上げのフォークボール
【通算成績】525試合215勝123敗 防御率2.23 【対巨人成績】38勝43敗 8完封 杉下茂が本誌のインタビューで「思い出深いシーズン」として挙げたのが、1954年。そう、
中日が初めて日本一に輝いた年である。杉下は32勝を挙げて最多勝に輝くのだが、何より光るのは、中日が巨人から挙げた14勝のうち、実に11勝がこの男の右腕によるものという事実だった。
「今年は何がなんでも巨人に勝って優勝するんだ。優勝するためには、お前がフォークを放らないかん」
これは当時の監督、天地俊一による“厳命”だった。ただ、世間では“フォークボールの神様”と呼ばれる杉下だが、本人としてはそのつもりがなかったという・・・
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