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▲冬場のテーマは下半身強化。試合では自らを助けるフィールディング練習もトレーニングの一環であり、今春には大台の150キロ超えを狙う




取材・文=岡本朋祐 写真=中島奈津子、BBM

 物静かだった1年前の練習始動日とは、まったく風景が違っていた。1月5日。前橋育英高の校内にあるグラウンドでは、在阪局を含めたテレビカメラ3台が約3時間、高橋光成の一挙手一投足を必死に追った。

 さらに、プロ3球団(ソフトバンク・宮田善久スカウト部長補佐、日本ハム・今成泰章スカウト、広島高山健一スカウト)も目を光らせた。周囲から見られる練習も、すでに日常茶飯事となっているはずだったが……。

「慣れないです……。早く慣れるようにしていきたいです(苦笑)」 年が明けても照れくさそうに、はにかんだ笑顔を見せた。昨夏の甲子園。2年生エースにして前橋育英高を初出場初優勝(センバツは2011年出場)へ導いた148キロ右腕。大会後に選出された18Uワールドカップ(台湾)では、済美高・安樂智大とともに銀メダルを獲得している。

 取り巻く環境は一変した。町中を歩けば、声もかけられる。メディア等からも脚光を浴び続け、普通の高校生なら浮ついても仕方ない。だが、絵に描いたような16歳の純朴青年・高橋は、何も変わっていない。

▲昨夏の甲子園では全6試合で6勝(2完封を含む5完投)を挙げ、同校初の全国制覇に貢献。2年生にして高校野球界の頂点に立っている



 自らの性格を「モジモジするタイプ」と分析する究極のシャイボーイも、マウンド上では勝負師に豹変する。糸を引くようなキレの良い真っすぐに、カウント球の大きなカーブ、横変化のスライダー、タテに鋭く落ちるフォークと、すべての球種で空振りが取れる。頂点を極めた高橋だが、現状に満足はしていない・・・

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