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レッドソックス6年ぶりの世界一の立役者・上原浩治。常々目標に挙げていた世界一を達成したが、今季はどのようなモチベーションでオフを過ごし、自主トレを行っているのだろうか。そして今季の目標は?頂点をつかんだ男は、栄光をかみ締めつつもすでに前を向いていた。
取材・構成=椎屋博幸、写真=大泉謙也、AP

うれしいのは一瞬あとは我慢だけ


都内で自主トレをこなす上原。朝7時に起床し、午前中は黙々と決まったメニューをこなす。ブルペンにはまだ入っていないが、バッテリー間の立ち投げをする姿を見るといつでも開幕を迎えられる体を作り上げている。世界一となりメディア出演など多忙を極めながらも、手を抜くことはなく2014年シーズンに突入する。

──今シーズンの目標は定められたのでしょうか。

上原 目標は立てられないですよ。常に昨年と同じ「思い」をしたいというだけなんですよね。

――世界一になったときに「吐きそう」とおっしゃいましたが……。

上原 いや、そういう思いをしたいのではなくて(笑)。1年間楽しかったという「思い」ですよ。

──「吐きそう」なくらいの厳しい思いをしないと世界一にはなれないという考えもある。

上原 ありますね。いろいろなことを我慢しなければいけないので、世界一になってやっと終わったという気持ちの方が強かった。うれしいというのは、あの一瞬だけでしたから。日本のようにリーグ優勝後にキャンプをするような時間はなく、シーズン終了2日後には、ポストシーズンが始まり、次々に試合が続いていきますからね、やはりしんどいです。

――でも「吐きそう」は何となく気持ちが分かるような表現でした。

上原 (笑)。でもあの表現って体力の部分ではないんですよ。ポジション的にすごくしんどいので、そこで投げ続けてキツイという意味です。投げ終わったときに率直な感想で「吐きそう」と。本当に体力的には問題なかったですよ。

経験者だけが分かるベースボールの良さ


――世界一になり、帰国後さまざまなメディアでの出演が多かったので、シーズンに向けた仕上がりはどうかな、と思っていたのですが……。

上原 順調ですよ。いつでもブルペンに入れる状態になっています。仕上がり具合は昨年のこの時期とほとんど変わらないですね。

――その中で今年のレッドソックスの先発陣は昨年と変わりなくそろっていますね。

上原 でもセンターラインが抜けたことは痛いですよ。捕手の(ジャロッド・)サルタラマッキアにセンターの(ジャコビー・)エルズベリーが移籍しましたからね。ショートもどうなるか分からない状態。まあ、その中でヤンキースが頭一つ、二つ抜けているでしょうね。

――一方でヤンキースは先発陣がそろっていないようにも感じます。

上原 いやいや、あそこはちょっと別格ですよ、毎年、毎年(笑)。ケガ人が出ればこっちにチャンスが出てくる、という感じの戦い方になると思っています。

クローザーとして選手、監督、そしてレッドソックスファンにも信頼された上原。ポストシーズンでも投げればピンチも作らず完璧に抑え続け世界一に導いた


――だからこそヤンキース戦には力が入る。

上原 いや、力の入り方はどこのチームも一緒です。ただ、ヤンキースはあの戦力ですからねえ。ヤンキースは金にモノを言わせているのでね。

――そのチームに勝っていくやりがいもある。

上原 それは誰もが思っていることだと思います。みんながヤンキース、ヤンキースと言いますが、そうじゃないと思っていますし。そりゃ金をかければ強いですよ。でも、お金をかけたからといって勝てないのが、野球の面白さですからね。

――そのためにはチーム力も必要ですよね。今年も積極的に選手たちに接するのでしょうか。

上原 今年も変わらないと思います。相手はこっちが日本人ということでどういう人間なんだ?と見ていますから。こちらから積極的に接していかないと、向こう側からは来てくれない。いかに自分から溶け込んでいくか。そこは・・・

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