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2014ドラフト特集第3弾

元プロからアマチュア指導者へ・初芝清[元ロッテ]

 

17年間の現役生活をロッテ一筋で貫き、勝負強い打撃で「ミスターロッテ」として愛された初芝清が今年よりセガサミー野球部監督に就任した。
07年から4季にわたりかずさマジックでコーチを務めていたが、監督としてはどのような手腕を見せるのだろうか。

取材・文=椎屋博幸 写真=BBM



「指導」ではなく「ヒント」を与える

「ミスターロッテ」の挑戦が始まった。セガサミーの監督に就任した元ロッテの初芝清監督が、3月10日から行われた社会人野球「第69回JABA東京スポニチ大会」で指揮官デビューを果たした。予選リーグでは1勝2敗と苦しみ決勝トーナメント進出は逃したが、今夏の都市対抗野球出場へ向け、新たなスタートを切った。

▲現役時代は勝負強い打撃とソックスを上げた“田吾作スタイル”でファンから愛された人気選手だった



 大会前のオープン戦では負けが込んだ。「チーム状態はあまり良くない中で、公式戦になったら選手たちがどうなるかが楽しみ」と話して臨んでいた。3月11日、横浜スタジアムで行われた三菱自動車岡崎戦。3投手による継投策がはまり、3対0で記念すべき1勝を挙げた。初芝監督は「勝てたよ。選手が結果を出してくれた。ホッとした」と胸をなで下ろした。

 昨年12月にセガサミーの監督に就任すると、プロ野球での経験を生かし、練習法の見直しからチーム改革に着手した。ロッテ一筋のプロ17年間で1525安打を放った指揮官は「革手袋使用禁止」を選手に通達した。気温が上がらない冬場の打撃練習では、バットの芯を外せば、素手に激痛が走る。ナインの手の平の皮はすぐにボロボロになった。素手打ちは12月から2月までの3カ月間、続けられた。

 四番に座る川端裕也は「初芝監督はプロ野球界で長く活躍された方だし、今までにない技術の指導をしてもらっている。聞いたら何でも返ってくるし、コミュニケーションも取りながらやってくれる」と、多くの引き出しを持つ指導に感謝しながら「でも素手は痛かったですね。革手袋のありがたみが分かりました」とマメだらけになった手を見つめた。

 初芝監督はプロ入り前、二松学舎大付から東芝府中に進み、都市対抗に3度出場した。現役引退後の2007年から4年間は、かずさマジック(現新日鉄住金かずさマジック)のコーチを務め、チームの都市対抗出場をサポートした。社会人野球には縁のある野球人生。監督就任後に感じたことは「今の選手たちは・・・

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