今季の広島で、野手陣の中心となっているのが1989、90年生まれの同学年コンビ丸佳浩と菊池涼介だ。打っては並びの打順で主砲・エルドレッドの前で好機を演出。守ってはセカンド、センターの内外野の要で存在感を発揮している。このコンビの魅力が濃縮されたワンプレーから、チームにおける2人の存在価値の高さを計る。 ※成績、記録は5月25日現在。 写真=BBM 四番・エルドレッドを中心とした好調・広島打線の根幹にキクマルの働きがある!
「キクマル」の魅力が、その一瞬に凝縮されていた。5月5日の
DeNA戦(マツダ広島)、1点を追う5回裏二死一、二塁だった。三番・丸佳浩が右前適時打。二塁走者・
堂林翔太が間一髪で同点のホームに滑り込む直前、丸は堂林の得点を助けようと一塁を蹴っていた。捕手・西森の二塁送球により一、二塁間に挟まれる。ここで、三塁を陥れていた一塁走者・菊池涼介と丸が、巧みなコンビ芸を披露した。
丸「キクが本塁でアウトになろうとしてくれれば、何かが起こると思って」
菊池「僕と丸の間で意思が通じたということです」
遊撃・白崎が一塁側に丸を追い込み、一塁方向へ送球。その瞬間、菊池は本塁へ向けて抜群のスタートを切った。ボールを持った二塁・石川は本塁送球をあきらめた。2人は目と目で意思疎通を図り、足技だけで決勝点をもぎ取ったのだ。おとり役を演じた丸は、「当たり前のことをできた」と冷静に振り返ったが、グラウンド外でも仲の良い同学年の2人ならではの芸当だった。
菊池の引き出しの増加によりコンビの威力が増大
開幕から快進撃を続けるカープ。「キクマル」が打線を点ではなく、線でつなげている。昨季は開幕から「一番・菊池、二番・丸」のオーダーでスタートし、終盤には「一番・丸、二番・菊池」の並びに落ち着いた。丸がリーグ最多の29盗塁を決めれば、菊池は球団記録のシーズン50犠打を記録。丸が足でかき回し、菊池がつなげる。確固たるスタイルを確立させ、チームを16年ぶりのAクラス進出に導いた。
今季はさらにコンビ芸を進化させている・・・
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