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日本中を巻き込む?カープ現象

カープ女子が作り出した「カープ・プリッツ」が発売!

 

広島には強力な応援団、「カープ女子」がいる。彼女たちのパワーはプロ野球界だけではなく日本の社会を巻き込もうとしている。6月10日に菓子・食品メーカー、江崎グリコが「プリッツ・熱い想いのチキン味」を発売。ひと目見たパッケージはまさに「カープ・プリッツ」だ。この商品を仕掛けたのは、「カープ女子」だった。広島ファンは大会社までも動かしてしまった!!
文・構成=椎屋博幸 写真提供=江崎グリコ株式会社

 成長戦略「アベノミクス」で日本の景気もやや? 持ち直してきた感はある。景気を良くするためには、お金を使うことだが、やはり女性の財布をいかに開けさせるか、がその近道だろう。もちろん、それはプロ野球界にとっても同じだ。

 昨年シーズン後半戦から広島カープの若い選手たちが実力を発揮し、初のクライマックスシリーズ進出を果たしたが、その広島を熱烈応援する女性たちがいた。ご存じ「カープ女子」だ。彼女らの大きな声援が選手たちを後押ししたことは間違いない。そして今季広島は開幕から首位争いを繰り広げている――。その「カープ女子」は商品を、会社を、いや、ときに社会全体をカープ色の赤に染め、23年ぶりのリーグ優勝に向け強力にバックアップしているようだ。


 6月10日、中国、四国地方限定ではあるが、江崎グリコが「プリッツ・熱い想いのチキン味」を発売した。広島東洋カープのマスコット「カープ坊や」がプリントされた「カープ・プリッツ」とも言えそうなパッケージになっている。

 マーケティング本部の井上朋美さんを中心にこの商品を開発。井上さん、実は昨年のクライマックスシリーズを甲子園球場で応援した「カープ女子」。

「『カープ女子』に代表されるブームと広島カープの地元ファンの想いの熱さを背景に、広島東洋カープ様に商品化のお話をもちかけました」。自身も広島ファンとして、周りのファンの熱さを身をもって感じているからこそ、商品にしたいという情熱が湧いた。江崎グリコの製菓は名品が並ぶが、試合観戦しながらでも片手で口に運ぶことができ、味も楽しめるスティック状の「プリッツ」が選ばれた。

 この提案に、球団はもちろん快諾。味の方向性、パッケージデザインなど共同作業で約半年の時間を要し作り上げられた。今回のパッケージは3種類。ホーム用、ビジター用に加え、「球団とやり取りをさせていただく中で、初優勝時の熱い想いをお聞きし、記念ユニフォームをお借りすることをお願いしました」

▲75年時代のカープ坊や(中央)も含む3種類のパッケージで販売される。味は食べ始めは甘く、そして徐々にスパイシーさが出て、ついつい「もう一本」と手が伸びてしまうカープ・プリッツだ!(C)広島東洋カープ、価格=オープン



 1975年、広島はリーグ初優勝を果たしたが、このときの熱狂は伝説として語り継がれている。その魂が今でも球団の中で受け継がれていることを知った井上さんは、初優勝時のカープ坊や(75年当時のビジター用の薄いブルーのユニフォームに紺のアンダーシャツを着用)のパッケージを加えた。味は、そのときの「熱い想い」をプリッツに反映する方向と、さらに球団のイメージである熱さ、赤さに近いスパイシーな味付けを考え、広島でおなじみの「若鶏の手羽」発売元(株)オオニシ監修によるホットな香辛料を加えたスパイシーなチキン味に仕上げた。

「カープファンの皆さまにお届けしたいという想いで製品作りを行いました。ご家族やご友人、ご同僚、ご年配の皆さまにもおいしく召し上がっていただける味わいを目指しました。スポーツのみならず、社会現象の背景やトレンドに関心を向けていくことは、魅力的なモノづくりの第一歩と考えており、変化していくお客様のニーズに対応した製品を提供していくことが使命だと感じています。熱いカープファンの皆さまに、プリッツをもっと身近に感じていただき、愛していただけることを心から祈っています」

 いやはや熱い、熱い、想いのこもったプリッツが出来上がったのである。この思いは広島ファン、カープ女子にも届いており、関東のみならず全国から「カープ・プリッツ」に対する問い合わせが来ているという。今回はプロ野球の球団との初の試みということで「まずは地元地域の皆さまへ」という考えの下、中国・四国エリア限定(7月末ごろまでの期間限定)商品となったが、今後広島の快進撃が続き、23年ぶりの歓喜が訪れることになったなら……もしかしたら全国の広島ファンの元へ届くかも? と思わせてくれる商品である。

 やはり、景気には女子力、発想力は欠かせない。自民党が提案したアベノミクス成長戦略のプロ野球16球団構想も良いが、カープ女子の想いが詰まった「「プリッツ・熱い想いのチキン味」」のカープ・プリッツによって広島ファン、そしてカープ女子が財布の紐ひもを緩めてくれれば、全国展開までいく可能性はある。カープ女子が頑張れば、ほかの広島ファンも、そして選手たちもさらに頑張るはず。広島が頑張ればプロ野球も元気になっていくだろう。

[そのほかのカープ商品]
【ファイテン】RAKUWA ブレスS 広島カープモデル
エナジードリンク・「カープエナジー」
【アサヒ】スーパードライがんばれ!広島東洋カープ缶
【新日配】 広島東洋カープ応援ドリンク ビタグッドエース3000

など多数あり
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