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7月18日に開幕した都市対抗に向け、士気の上がる社会人をまずはピックアップ。内野手として新日鐵住金に入社しながらも、投手転向で頭角を現した異色の左腕・加藤貴之を紹介する。
取材・文=吉見淳司 写真=平山耕一

内野手として入社も2大大会で快投

 昨年は都市対抗で13年ぶりのベスト4、日本選手権で初優勝を遂げる快進撃を見せた新日鐵住金かずさマジック。主戦の岡本健(現ソフトバンク)とともに原動力となったのが、2大会で計6試合に登板し、自責点0と好投した加藤貴之だった。

 拓大紅陵高では2年夏から主力投手の一人となり、同夏の県大会準優勝の実績を残している。

「大学だと、勉強などに時間を取られてしまう。野球に集中できる環境でプレーしたかった」と同校OBの鈴木秀範監督が指揮を執るかずさマジックに入社したのは2011年のこと。

 当初は内野手登録(一塁)だったが、鈴木監督はその意図をこう明かす。「初めから投手に再転向させる予定ではいました。ただ、高校でも身長の伸びが止まっていませんでしたし、骨格ができるまでは投手のトレーニングをしてもなかなか本物にはならない。まずは野手として野球を覚えさせつつ打撃投手などをさせました」

 加藤は「打撃は好きで楽しかったのですが、守備は……(苦笑)。ノックよりも打撃投手の方が好きでした」と述懐するが、後にフィールディングの向上や、野手の立場になって試合を見られるようになるなど、しっかり成果を身に付けている。そして12年の夏にようやく準備が整い、投手として再スタートを切った。

 しかし出足は順調ではなかった・・・

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