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ともに2年時に春、夏の甲子園をエースとして制覇。世代の中でも早々に頭角を現した両者だったが、集大成となるはずだった3年時は、春夏とも聖地に足を踏み入れることすら叶わなかった。だが、その才能はやはり日本代表にふさわしい。選考委員会推薦選手として出場した小島和哉高橋光成は夏のうっ憤を晴らすかのように、大舞台で躍動した。
文=吉見淳司 写真=荒川ユウジ



再チャンスに発奮


「一度は高校野球が終わったと思ったが、今回の大会でもう一度チャンスをもらえたので、気合を入れて臨みたい」と大会開幕前日の公式練習から鼻息の荒かったのが小島和哉だ。

 今夏の埼玉大会では3回戦の県川口戦で敗退(1対4)。5回まで被安打4、5四死球と乱れ4失点を喫する内容に、試合直後は「後悔はない」と話したものの、「悔しい気持ちもあったし、高校野球が終わってしまったと、1週間くらいは気持ちが入らなかった」と振り返った。

 しかし日本代表入りの可能性を知ると、これが良い刺激に。卒業後を見据えた体力強化に意欲的に取り組み、技術向上に成功。初登板となったスリランカ戦では2回で3三振を奪い、2つの投ゴロをさばいて無安打に抑えるなど、成果を発揮した。「ほかの投手は一人ひとりすごいモノを持っているので、見ていても勉強になる」と語りつつ、「自分の持ち味はインコース低めに真っすぐを投げるコントロール」と武器を再認識。宣言どおり、ち密なコントロールで相手打者を苦しめた。

 また、予選リーグではほかの投手が直球主体で押す中、小島は変化球も多投した。その意図を問われると、「僕は後ろ(救援)で投げることもあると思うので、そういう練習もしないといけないと思った」とクレバーさものぞかせた。その準備が奏功し、準決勝のチャイニーズ・タイペイ戦、決勝の韓国戦では計3イニングを無失点の好リリーフで、投手陣最多となる3試合に登板。堂々と銀メダルを首にかけた。

 注目される進路は・・・

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