快速トリオを還し続ける、状況に応じたチーム打撃
プロ入り7年目、25歳。高校通算87本塁打(当時記録)を放った「怪物」が、ようやくそのバットで、タイトルを手にしようとしている。入団当初から「一番チームの勝利に結びつくから」と、こだわってきた「打点」での初載冠。「勝たなければ意味がない」。チーム成績が伴わないため、本人は決して喜ぶことはないだろう。だが、今後の野球人生にとって、確かな自信と貴重な経験になるはずだ。
四番として絶大な信頼を寄せ、使い続けてくれる
栗山英樹監督から、かけられた言葉がある。「チームを勝たせる四番になれ」。
中田翔の打撃を、変えた言葉だ。左足を大きく上げて、フルスイング。昨季までと、そして今季も基本的には、この打撃フォームで大きな放物線を描く。だが2ストライクと追い込まれると、スタイルをガラッと変える。左足はすり足になり、バットコントロールを優先にスイングする。狙いは、逆方向(右方向)に置く。確実性は増し、軽打で走者をかえす場面が目立つようになった。
変化は技術面だけでなく、精神面にもある・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン