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2位・オリックスに何度もマジック点灯を阻止されたが、最後の最後に本来の力を発揮し、144試合目で優勝を決めた。プレッシャーをはねのけ、3年ぶりのVを手にした秋山監督、松田選手会長、五十嵐投手の喜びの声を紹介しよう。
写真=栗山尚久

秋山幸二[監督]




──2014年、パシフィック・リーグ優勝おめでとうございます。

秋山 ありがとうございます。

──7回宙に舞いました。

秋山 本当に覚えていないんですけれども、気持ち良かったです。

──胴上げの前に、グラウンドの中で一人ひとりと抱擁なさっていました。

秋山 半端じゃないプレッシャーの中で、全員で勝ち取った優勝。うれしかったですね。

──昨季の反省を踏まえ、今季は先発投手の補強がありました。中田投手、スタンリッジ投手はともに11勝という結果を出しました。

秋山 新しく加わったメンバーが頑張ってくれたというのもありますし、チームが一つになってやってこれました。ケガ人が多い中でカバーし合えたのも大きかったですし、若い力もありました。そして、最後に大隣が復帰して、ここ一番の試合で良いピッチングをしてくれたというのが本当にうれしいです。

──救援陣は隣の五十嵐投手をはじめ、サファテ投手、ルーキーの森投手など、他球団もうらやむような顔ぶれだったと思います。

秋山 プレッシャーのかかる場面で、力を発揮して勝ちに持ってきてくれた試合が数多くありました。先発陣もそういう選手がいることで、やはり最初から思い切り飛ばしていけたんじゃないかと思います。ピッチャーの中にもチームというものがあったと思いますね。

──一方の打線ですが、チーム打率が2割8分台をずっとキープしました。

秋山 144試合で四番を任せた李大浩の存在は大きかったですね。あとは個人個人が自分の持ち場で力を出し、みんながつなぐ気持ちでやってくれたのが良かったと思います。

──CSファイナルステージ、日本シリーズ出場へ向けての意気込みをお願いします。

秋山 今年のキャンプから、日本一を取るためにつくり上げてきました。1戦1戦を大事に、勝ち上がっていきたいと思います。

松田宣浩[内野手]




──自らのバットでサヨナラ勝ちを決めた気持ちから教えてください。

松田 今年、全員でやってきた練習のこと、なかなか勝てなかった時期のこと、いろいろ思い出しながら、選手全員の気持ちを込めて打ちました。ああいった大事な場面で、サヨナラヒットを打って、チームが優勝できたので、本当にうれしく思います。

──決まって、秋山監督と思い切り抱き合いました。

松田 9月はなかなか勝てず、うまいこといきませんでしたが、とにかく最後に、監督を全員で胴上げしたいという強い思いがありました。その思いだけで最後に1本打てたと思いますし、監督を胴上げすることができて、最高にうれしかったです。

──今年1年を振り返っていただき、キャンプスタートからゴールに至るまで、選手会長として、心掛けていたこと、うまくいったことを教えてください。

松田 今年は「12球団で一番、明るく元気に野球をする」というテーマの下、キャンプをスタートしました。開幕初戦から144試合が終わるまで、プロ野球の中で一番、元気を出して頑張れたチームではないかと思います。個人の結果も大事なんですけど、今年に関しては、選手会長としてチームの勝利を第一に考えてきました。特にケガから明けてからは、より一層、その考えを強く持ってやってきました。

──9月は苦しい戦いが続きましたが、松田選手ご自身はその姿勢を崩していなかった。

松田 うまくいくときも、いかないときも、やってきたことを信じてね。明るい選手が急に元気をなくすと、チームもうまくいかないと思うので、勝っても負けても、チームで一番声を出しながらやってきました。

──CSに向けて抱負をお願いします。

松田 CS突破、日本一という目標がまだありますから、それをつかめるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います

五十嵐亮太[投手]




──ホークスに来て初めての優勝、今の思いを聞かせてください。

五十嵐 今年は「優勝する」と思ってシーズンに挑んでいましたし、昨年CSに出られなかった悔しさを、ずっと持ち続けてやってきました。最後、本当につらい時期が続いたんですけど、ようやく優勝できて、今は喜びというよりも、安心感の方が強いです。

──ホールドポイントの球団記録を塗り替えるなど、素晴らしいシーズンだった思います。

五十嵐 数字は後からついてくるものだと思っていて、1試合1試合、どうしたら全力を尽くして投げられるか、それだけを考えてやってきました。チーム状況が良かったというのもありますし、その中で自分に与えられた仕事を、完全にとは言えないまでも、ある程度できたんじゃないかなと思います。

──ピッチングスタッフを代表して、今年のホークス投手陣の強さを教えてください。

五十嵐 ケガで誰かがいなくなったときに、「俺が入っていくんだ」というような気持ちをみんなが持っていることでしょうか。森(唯斗)もそうでしたけど、そういう意味で、チーム内での競争もできていたと思います。

──成長した点を教えてください。

五十嵐 ないですね。勝てるときはみんな勝てるんですけど、そうじゃないときの打開策がなかったので、最後こういうふうな結果になってしまった。打線を中心にチーム一丸となってやってきたという感覚が強いので、正直、今後の課題はこのへんなのかなと思います。

──CSに向けて抱負をお願いします。

五十嵐 後半戦は本当に苦しい時期が続きました。どうしたら良い方向にいくのかを選手一人ひとりが考えながらなかなか打開できませんでした。でも、今日の勝ちをきっかけに、また違った野球を見せられることを期待しているし、僕自身もまた違ったピッチングができるんじゃないかと思うので、ひと皮むけたホークスの野球を見てくれるとうれしいです。
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