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最終144試合目にパ・リーグの頂点に立ったソフトバンク。勝てばマジック点灯となる9月17日のオリックス戦(京セラドーム)から4連敗、1勝を挟んで今季最長の5連敗と、苦しみ抜いた上での歓喜だった。その分たくましさを増した若鷹が世紀の一戦を終えて胸の内を語り合う
取材・構成=菊池仁志 写真=湯浅芳昭

劇的なV決定戦


 劇的過ぎる結末だった。優勝が決まったのはシーズン最終戦の144試合目。延長戦に突入した試合は10回に選手会長・松田宣浩がサヨナラ打で決めた。柳田悠岐はその回の先頭として四球で出塁。決勝のホームを踏んだ。今宮健太は出塁した柳田をセカンドへ進めるシーズン62個目の犠打。V決定に貴重な働きだった。

普段から仲の良い2人。優勝後に一緒にレンズに収まる



柳田 勝ちたい、その思いだけだった。だから勝った瞬間はうれしかったよな、メッチャ。あの試合がペナントレースの最後の試合、終わったときはぐったりきて、やり切ったって感じだった。

今宮 こういう戦いは野球をやっていても普通はできない経験ですし、最後の最後に勝って、ビールかけが終わったときは相当疲れていました。ドッと体に来ましたね。相当のものがあったんだと思います。

柳田 俺は勝つしかないって、それだけ。あとは相手ピッチャーのことを考えるだけで、緊張はなかった。普段どおりだったし。

今宮 僕も試合まではすんなり入れたんです。前日もよく寝られましたし。でも試合が始まってから緊張感が高まってきたんです。

柳田 普段どおり、いつもどおりに見えたけど。

今宮 最後まで落ち着かなかったです。ファンの声援が一つひとつのプレーに対してものすごいものがあったじゃないですか。逆にそれで緊張しました。

柳田 ただ、勝敗は相手があることだからなるようにしかならない。でも、応援は確かにすごかった。

今宮 今までにない応援を味わいましたね。ファンの皆さんのあの試合にかける思いを相当感じました。

柳田 それでみんな勝ちたいっていう、いつも以上に強い気持ちを持ったんじゃない。違ったのはそこの部分。あとはやっていること自体はいつもと変わらなかった。でも、特に最終回の応援はすごい。力をもらったね。

今宮 最終回の守りのときも(二死満塁で)打たれる感じはなかったです。大丈夫だと思いました。

レギュラー定着2年目だが、松田、本多が不在時も内野陣をけん引。チームになくてはならない存在となった



柳田 俺はどうなるんやろうなって感じ。飛んできたら頑張って捕ろうと(笑)。そしたら・・・

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