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2014ドラフト特集 第9弾

ドラフトの超目玉 早大・有原航平 独占インタビュー

 

東京都西東京市にある早大東伏見グラウンドにて。高校時代からドラフト上位候補だったが、大学4年を経て、完全な1位候補と成長を遂げた


10月23日の“主役”の復活をプロ関係者は待ち望んでいた。156キロ右腕はラストシーズンの今秋、9月13日の開幕カード(対法大)でベンチ入りメンバーから外れた。8月の軽井沢キャンプ(6〜15日)以降に調子を落とし、疲労蓄積による右ヒジ痛。幸い症状は軽かったものの、将来を見据えて、大事を取る形となった。その判断は正しかった。2カード目の同27日の早大戦に戦線復帰。やはり「2014年の顔」の座は不動だった。ドラフト当日、最も注目される本格派投手の心境を聞いた。
取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

5〜6割の出来でも復帰登板は貫録の3回無失点


 1年春からベンチ入りしていた有原にとって、リーグ戦を学生服で見るのは初めて。当初は他の控え部員と同様、応援席で母校の校歌や応援歌『紺碧の空』を歌って声援する予定だった。

 しかし、2014年ドラフト超目玉投手の顔は、誰もが知っている。場内での混乱を避けるため、ロッカールームでのモニタ観戦となった。早大は9月13日からの開幕カードで法大に連勝。28日の明大2回戦で右ヒジ痛からの実戦復帰(救援で3回無失点)を果たすが、客観的に自チームの戦いを見た2試合は、野球選手として有意義な時間だった。

──エース不在ながら法大に連勝。大竹耕太郎(済々黌)、柳沢一輝(広陵)ら1年生の活躍が目立ちました。

有原 法大2回戦では5点差を逆転(7対6)したんですが、1試合を通した集中力を感じました。すごく良いチームだな、と。自分も早く戻り、早稲田の責任と誇りを持ってプレーしないといけないと思いました。

──サポートする部員の気持ちを理解することができたのでは?

有原 見ている側は、ドキドキです。こういった心境で僕たちを見ていたんだな、と。同じ場面でもグラウンドでプレーしている方が、自分のことなので気持ち的には楽かもしれません。試合が終わるとロッカールームで、引き揚げてくるメンバーとハイタッチするんです。いつもとは反対側でしたが、楽しかったですね。

試合のたびに多くの報道陣に囲まれるのも、注目選手の宿命だ。今秋の開幕カード(対法大)は右ヒジ痛により、初めてメンバーから外れた。控え選手の気持ちを理解できたのも大きかったという(写真=長尾亜紀)



──9月13日はNPB全12球団が視察へ訪れました。ラストシーズンの秋の開幕カードで戦線離脱とは、勇気ある決断だったと思います。

有原 監督(岡村猛)とも話し合って、「この段階で無理をしない方が良いだろう」という最終的な判断でそうしました。

──明大2回戦では4点差の6回表から救援。3イニングを無安打無失点に抑え、復帰登板を飾りました。

有原 監督から「悪い流れを変えてくれ」ということで精いっぱい投げました。ゼロに抑えられたのは良かったですが、チームは連敗してしまったので、責任を感じています。

──明大・高田繁氏の持つ東京六大学記録(127安打)に挑戦している高山俊(3年・日大三)には、ツーシームでタイミングを外す(二ゴロ)など、打者10人から5奪三振。貫録のピッチングを見せつけました。神宮球場の球速表示は最速148キロでしたが、ある球団のスピードガンでは150キロを計測していました。

有原 真っすぐの状態は5〜6割。まだボールが走っていないので、狙い打たれる危険性があったんです。なので、変化球中心の配球にして、しっかり腕を振ることを心掛けました。カーブ、カットボール、チェンジアップを丁寧に低めに集めた結果、抑えることができたのだと思います。

──ブルペン投球など練習と実戦で、右ヒジの疲労もかなり違うのでは?

有原 普通の、いつもどおりの張りです。変な感じはないです・・・

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