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2014ドラフト特集 第9弾

野村亮介&福地元春 修羅場から這い上がってきた即戦力投手コンビ

 


セットポジションで制球が安定


 3歳年上の福地元春は、後輩の野村亮介をよく食事に誘う。高卒3年目の野村は「(大卒2年目の)福地さんとは(ドラフト)解禁が同じ年。『プロ入りが現実になればいいですね』という話も出ます」。1年前、夢物語を語っている場合ではなかった。

「いろいろあったので……。野球をやってきて、一番苦しんだのが昨年。辞めようと思ったこともあった」

 静清高のエースとしてセンバツ出場へ導いた2011年春、最速145キロを計測して初戦突破(対京都成章高)。大型右腕はプロ注目の存在となり、下位ならばドラフト指名の可能性があったという。

「少しは考えたんですが、プロでやれる自信がありませんでした。社会人なら3年。仮にダメでも大学と同じ4年目でも遅くはない。実力を磨いてから挑戦しようと思いました」

 社会人では屈辱の連続だった。1年目の日本選手権1回戦(対NTT西日本)で、タイブレークの12回裏一死満塁から救援も、犠飛でサヨナラ負け。2年目の都市対抗2回戦(対JR東日本)では0対2の5回からリリーフしているが、満塁本塁打を浴びて一死しか奪えずに降板した。

 その後も実戦登板のたびに打ち込まれ、すっかり自信をなくしてしまう。日本選手権予選はベンチにも入れず、ネット裏でのビデオ撮影班に回った。

「気持ちを切り替えろ、と言われても吹っ切れず……。ストライクも入らず。ここから地道な基礎練習。ゼロからフォームを作り直しました」

 今年2月の鹿児島・指宿キャンプでも、気の遠くなるようなネットスローの繰り返し・・・

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