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2014ドラフト特集 第10弾

早大の同一年度 ドラフト1位を振り返る

 

早大からまたドラフト1位指名選手が誕生した。早大の同一年度での複数のドラフト1位は今回で3度目となる。ここでは、過去2度のドラフト1位選手を振り返っていきたい。
写真=BBM

立ちはだかるプロの厚い壁


 鳥谷敬阪神)や和田毅(カブス)など幾多の名選手を輩出している早大だが、同一年度で複数のドラフト1位選手を輩出したのは、1965年のドラフト制度導入後これが3度目である。

 1度目は三沢高のエース・太田幸司が甲子園で熱投を見せ、「コーちゃんブーム」を巻き起こした69年。首位打者を獲得した2年春から6季連続でベストナイン外野手に輝いた谷沢健一中日、3年秋に8勝を挙げ優勝に貢献した小坂敏彦巨人、そして王貞治の一本足打法を生み出した博を父に持ち、当時早大最多の19本塁打を記録した荒川堯が大洋から1位指名(入団拒否し、翌年にヤクルト入団)を受けた。

2000安打を達成するなどプロでも素晴らしい実績を残した谷沢健一


3年秋に大車輪の活躍を見せ優勝に貢献した小坂敏彦だったが、プロでは9勝止まり


荒川堯も期待された活躍を見せることはできなかった



 そして2度目が、記憶に新しい2010年。早実高での夏の甲子園制覇から早大の4年間で社会現象を生んだ斎藤佑樹が4球団競合の末、日本ハムへ。この年、最多となる6球団から指名を受けた大石達也西武、そして福井優也広島から指名を受け、史上初めて同一チームから3投手が1位指名を受けた。

 50年の歴史を持つドラフトで、3度目となる快挙を今回成し遂げたわけだが、ここで紹介した6人で、新人王や2度の首位打者を獲得した谷沢以外は、プロで大成したとは言い難い。斎藤を筆頭にプロの分厚い壁に阻まれていると言える。

 そういった意味で、今回1位指名を受けた有原航平中村奨吾には、大きな期待がかかる。レベルの高い世界で苦しんだ先輩たちを超えるためにも、大学時代に見せた実力を遺かんなく発揮してほしいものだ。

2010 年、史上初めて同一チームからドラフト1位投手トリオが誕生した。話題を独占した3人(左から福井、大石、斎藤)だったが、ファンを満足させる結果は残せていない



早大の同一年度でドラフト1位入りした選手のプロでの通算成績
※現役選手の成績は14年終了時点
打者
谷沢健一(中日)/70〜86年/1931試合/2062安打/273本塁打/969打点/打率.302
荒川尭(ヤクルト)/71〜75年/225試合/195安打/34本塁打/98打点/打率.253
投手
小坂敏彦(巨人・日本ハム)/70〜76年/105試合/9勝8敗2セーブ/防御率4.74
斎藤佑樹(日本ハム)/11年〜/45試合/13勝16敗0セーブ/防御率3.66
大石達也(西武)/11年〜/61試合/1勝6敗8セーブ/防御率4.58
福井優也(広島)/11年〜/67試合/14勝20敗0セーブ/防御率4.52
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