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8月16日の日本ハム戦(西武ドーム)、1点を勝ち越された直後の10回裏、代打で登場してバックスクリーンへ3試合連続となる同点本塁打を放った森



高卒1年目から球界を沸かせた清原和博も、松井秀喜も遂げられなかった記録を森友哉が成し遂げた。1968年6月4〜6日にかけて江島巧中日)が高卒1年目でプロ初本塁打から3試合連続アーチを架けて以来、森が同記録を樹立(8月14日オリックス戦から16日日本ハム戦)。力強いスイングから放たれる驚弾に、だれもが目を奪われた。果たして、衝撃の打撃のすごさはどのような点にあるのか。宮地克彦打撃コーチに解説してもらった。

解説=宮地克彦打撃コーチ(埼玉西武ライオンズ) 文=上岡真里江 写真=荒川ユウジ

積極的に打ちにいってボールを見極める


 僕の言葉で表現すると「小憎たらしいバッティングするなあ」という感じです。例えば、ブンブン振り回して、空振り三振でもするのかな?と思うと、最後の最後でチョンとレフト前に合わせたりする。18歳とは思えない、玄人みたいなバッティングをします。

 まず一番のすごさは、「1球目から100%打ちにいって、ボール球を見逃すことができる」こと。

僕は、選手たちにいつも「積極的に打ちにいけ」と言うのですが、ほとんどは100%打ちにいくと、変化球に空振りしたり、ボール球に手を出してしまったりするので、迷いが生じで手が出なくなってしまうもの。ですが、森はあれだけ思い切り打ちにいっているのに、サファテのフォークなどを見逃せる。これは、教えてできるものではありません。

 では、なぜボール球を見逃せるのか? 下半身の使い方が上手いからです。柔らかさと強さを兼ね備えた下半身で投球を探っていき、その探りのわずかな“間(ま)”の中で、ストレート、変化球、高低内外を判断し、上半身や手に伝わっていくという順番で打つことができれば変化球にも対応できる。ただ・・・

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