異色の経歴で注目を集める、ロッテの秀才右腕・田中英祐。新人合同自主トレを経て、春季キャンプを目前に控え、現在の心境を語った特別インタビューを公開。
取材・構成＝吉見淳司　写真＝中嶋奈津子

マイペースで調整中

──一軍スタートとなった春季キャンプは目前ですが、仕上がりはいかがですか。

田中　特に問題なく動けていますし、順調に来ていると思います。新人合同自主トレの練習メニューも、戸惑いはそれほどなかったですね。半分くらいは今までにやったことがあったものだったので。アップの動きなどは今までにやったことがないものが多く、最初は「どうしようかな」と思ったんですけど、それぞれの目的を初めに説明していただけましたし、うまくやれたと思います。

──新人合同自主トレでは「基礎体力の把握」をテーマに掲げていました。

田中　新人の中では、ある程度はメニューをこなせたので、そこは特に問題なかったですね。これから実際にキャンプに入り、プロの先輩方とやっていく中でどこまでできるかが勝負だと思っています。

──ポール間走やシャトルランでは新人内でトップクラスの成績を残していました。

田中　自分のペースでやったのですが、いい結果が出ました。合同自主トレが始まる前に自分が想像していたよりはできていると思います。シャトルのタイムなどはもうちょっと下の方を予想していたんですけど、いい数字が出ましたし、思ったより動けている。これは一つ収穫でした。

──では、反対に自分が足りないという部分は。

田中　ここからは野球の技術が必要になってくると思っています。いくら体力があっても技術がないとダメですし、それはキャンプで磨いていきたいです。まだ、自分がプロで生かせそうというところが見えていないので、それをちゃんと把握しないといけませんね。



──ブルペン投球も何度かこなしていますが、感触はいかがですか。

田中　初めて入ったとき（1月18日）は立ち投げで球数も少なかったですが、後半はいい球がいっていて、出だしとしては良い感触でした。京大でもこの時期からブルペンに入っていたので、例年どおりといえば例年どおりです。

──特に急いで仕上げているわけではない。

田中　自分のペースでできていますね。マイペースでやっている中で、ブルペンに入れる状態になったというだけで。キャンプでもどんどん投げることになると思いますし、あくまでも焦点はいい状態でキャンプインすること。いいペースで来ているので、あまり焦りはありません・・・