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新境地に挑む男たち

 

今季から新たに挑むチャレンジャーは、球界の第一線で活躍している選手だけではない。ここでは新たな道を歩む人物をフォーカス。現在の姿に迫る。

“新成”巨人を支える兼任コーチ


 その時は、突然訪れた。40歳になるプロ18年目のシーズンを、打撃コーチ兼任で迎えた高橋由伸だが、キャンプインからしばらくは一プレーヤーとしての調整を優先。原辰徳監督は宿舎での夜間練習やビデオチェックでの積極参加を明かしているが、表立ってのコーチ業はフリー打撃時、ケージ後ろでのタイムキーパーを務める程度だった。

 しかし、2月8日、この日も自らの練習を終えてケージ脇に立ったところで、阿部慎之助から声が掛かる。「コーチ! ノックお願いします!」(阿部)、「本気で言ってんの?」(高橋由)、「お願いします!」(阿部)。肩書きは“打撃”コーチゆえにノックは厳密には担当外だが、苦笑いの高橋由コーチはついにノックバットを手に“デビュー”。井端弘和片岡治大も加わり、約25分間で100スイング、「新鮮だけど、半分くらい恥ずかしかった」と笑顔を見せた。

89、90年に投手兼任だった加藤初以来、二足のわらじをはく高橋由兼任打撃コーチ



 この日は居残り特打の辻東倫に指導を行うなど、コーチ業も徐々に熱を帯びてきている様子。原監督も「なんか、(キャンプインから)いつになく元気だよね。コーチ兼任という役割が、彼の中で選手・高橋由伸にも追い風を与えているように感じる」と相乗効果に、好印象を抱いている。

 3日から2日間視察に訪れた盟友・松井秀喜氏も「本人はまだ(現役で)頑張りたいんだと思いますから、応援したい。(でも)何でもできると思いますよ」と二足のわらじに太鼓判を押した。高橋由本人も「(兼任コーチだが)中途半端にならないように、自分なりに考えてしっかりやりたい」と決意を新たにしている。

180度違う立場でチームへの貢献を誓う打撃投手


 25年ぶりの兼任コーチが誕生した“新成”巨人で、新たな歩みを始めた01年の最多勝投手がいる。ヤクルトや巨人などで実績を残した左腕が今季から打撃投手としてデビューを飾った。藤井秀悟打撃投手に心構えを聞くと・・・

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