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巨人・菅野智之 過去2シーズンを超える戦いへ

 

押しも押されもせぬ投手陣の大きな柱。ルーキーイヤーから2年連続でチームの勝ち頭となり、昨季は2度の故障離脱がありながら、最優秀防御率のタイトルを受賞する働きでリーグ3連覇に貢献した。セ・リーグMVP受賞は当然とも言えたが、菅野智之は「エース」と呼ばれることをよしとしない。自分自身を納得させる挑戦は、これからも続いていく。
文=三浦正(スポーツライター)写真=小山真司、大泉謙也



周囲はエース格と認め
登板ごとに高まる期待


 真のエースへ一歩一歩、近づいている。主戦として、目前の一つの区切りは昨年に続く開幕投手を務めること。菅野智之は開幕がすべてではないと前置きした上で「毎年、コロコロ変わるのはチームにとって良くないし、自分も悔しいのでまずは開幕投手、そこを目指してやっていきたい。自覚を持ってやりたいと思っています」と繰り返す。

 マウンド上の立ち振る舞いや普段の言動からは風格すら漂うが、まだプロ入り3年目だ。ただ、その経験は濃く、それらをくぐり抜け、成長を続けている。2013年に1年間の“浪人生活”を経て、巨人入団。そのブランクを感じさせず、1年目から先発ローテーションを守り、13勝を挙げた。さらに、ポストシーズンではそれまでの緊張感とはまったく異なる大一番で先発。楽天との日本シリーズ第6戦、2勝3敗と後がない状況で、相手はレギュラーシーズンを含めて負けなしの田中将大(現ヤンキース)、舞台は仙台。すべての要素が楽天に傾き「1点取られたら終わり」と追い詰められた状況で先発した。まさに土俵際で、7回を3安打2失点(自責点1)と好投し、白星へと導いた。「あの経験は大きい」とたくましさを増した。

 新人王を獲得するなど、順風満帆な1年目を終えたが、本人は・・・

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