週刊ベースボールONLINE


谷繁采配 変化の秘密を探る

 

より監督業に力を入れた今年、戦力の底上げも図れて序盤戦でいい戦いができている


開幕3連敗を喫しながら、そこから盛り返して現在、Aクラス争いを繰り広げているドラゴンズ(27試合14勝13敗、勝率.519、4位 ※4月27日時点)。その裏には進化した谷繁元信監督兼選手の姿があるのは間違いない。兼任監督1年目の昨年、4位に終わった。試行錯誤を重ねた2014年から一体、何が変わったのだろうか。
写真=小山真司

英訳すればどちらも『playing manager』


 いま思えば肩書きの変更が逆襲への第一歩だったのかもしれない。1月17日、球団は谷繁体制2年目のコーチングスタッフを発表した。

「監督兼選手 谷繁元信」

 一番上の欄にこう記されていた。ただ、当時のマスコミはこの肩書きについて何も触れていない。気づいていない関係者も少なくなかった。それもそうだろう。昨年の肩書きは『選手兼任監督』だったが、英訳すればどちらも『playing manager』。だが、球団にははっきりとした意図があった。西山和夫球団代表いわく「軸足を選手ではなく監督に置くということです」。

 選手兼任監督も本来は監督が選手を兼務するという意味ではあるが、今年は監督業が主であることを、より鮮明にしていた。確かに2年目の谷繁元信は選手というよりも監督としてスタートしていた。2月1日の春季キャンプ初日、練習メニュー表に谷繁の名前はあったが、記されていた内容は『フリー』。その日はほかの選手とともにウオーミングアップ、ベースランニングまではこなしたが、即座にブルペンに向かった。

 ただ、マスクはかぶっていない。全投手を見るために立って捕手の後ろで確認していた。「去年はどうすればいいのか・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング